内容説明
空爆の思想を攻撃される人間の視点から検証する。「空爆は戦争終結を早め、死傷者の数を少なくする」―。爆弾を投下する側の人間は空爆の妥当性を、こう説明してきた。攻撃される側の人間と攻撃する側の人間、そして両者の間にある心理的・空間的な隔たりと圧倒的なパワーの差…。果たして、空爆による被害は「やむを得ない犠牲」といえるのか。家族や生活の基盤を失った被害者の悲痛な叫びを反芻しながら、航空機による軍事作戦が重視された第一次大戦以降の空爆史を紐解き、ビルマ・カチン州ゲリラを従軍取材したときの著者自身の空爆体験を重ね合わせて、空爆思想の背後に潜む「被害者の非人間視」の論理を深く追及する。
目次
第1章 空爆による死と痛みをめぐって
第2章 空爆の歴史、その傷を通して見つめる
第3章 日本も空爆の加害者だった時代
第4章 航空宇宙戦力と破壊と殺傷
第5章 「やむをえない犠牲」論を解体する
第6章 他者の痛みをどのように考えるか
著者等紹介
吉田敏浩[ヨシダトシヒロ]
1957年、大分県臼杵市生まれ。フリー・ジャーナリスト。1977年より、ビルマ、タイ、アフガニスタンなどアジアの多様な民族世界を訪ねる。85年3月から88年10月まで、ビルマ北部のカチン州とシャン州を長期取材。その記録をまとめた『森の回廊』(NHK出版・NHKライブラリー)で、96年に第27回・大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。近年は主に、現代日本社会における生と死のありよう、戦争のできる国に変わるおそれが高まる日本の現状を取材している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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