内容説明
旅人算につるカメ算、仕事算に植木算、集合算…日常に根ざした素朴な感覚を重視する算数には、方程式や記号をあやつる数学からは決して出てこない、世界の本質を直感的につかむためのアイディアがつまっている。その発想を身につければ、自然界のミクロなかたちから宇宙の膨張する姿までが見え、経済成長のしくみから平成不況の原因までが理解できる。基本から中学入試問題までを例に、算数の発想の豊かな広がりを示すスリリングな一冊。
目次
個別的思考とフィクション感覚―「算数の発想」とは何か
1 素朴な発想で、世界のなりたちを読みとく(「旅人算」から宇宙論へ―ものごとを相対的に見る発想;「ガウス算」から環境問題へ―グラフをさかさまに見る発想;「相似図形」からフラクタルへ―無限をイメージするための発想)
2 やわらか思考で、社会のしくみを読みとく(「仕事算」から経済成長理論へ―景気低迷を読みとく思考;「数え上げ」から不可逆現象へ―格差社会を読みとく思考;「集合算」から協力ゲームへ―政治力学を読みとく思考)
著者等紹介
小島寛之[コジマヒロユキ]
1958年東京都生まれ。東京大学理学部数学科卒。同大学院経済学研究科博士課程修了。帝京大学経済学部経営学科助教授。専攻は数理経済学。数学エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
2
素晴らしい。算数の解き方や考え方を人生観、世界観に昇華させる文章に感心する。こんな先生から算数や数学を習いたかったな。2018/12/06
トリッコロ
2
再読。ガウス算が金融派生商品であるデリバティブのリスクヘッジに利用されているのは知らなかった。もう一度、数字を一から勉強してみようかな。2016/08/21
えちぜんや よーた
2
経済成長の必要性を説かれていると思います(3年近く前に読んだから記憶があやふや)→第4章 「仕事算」から経済成長理論へ 景気低迷を読み解く思考(資本減耗・ゼロ成長に関する説明)経済成長してもしなくても地面の下に走っている上下水道は古くなる。もしある日、突然下水道が破裂したら。。。
秋月
1
★★★☆☆ 数の学問、それが数学。 本書は初心者にもわかるように丁寧に書かれている(が、私には難しかった笑)。 その数の学問で、世界を数学的な思考で捉える。 人生とはまったく不思議なものだ。挫折したとはいえ、一度は勉強したことが、めぐりめぐって何十年もしてから自分の武器となるのである。これだから何事も無駄だと思ってはならない。 2017/06/24
noritsugu
1
なかなか面白いのだが、一部理解できていないものある。特に肝心な最後のメビウス反転公式のあたり。。。算数を起点にして話をするのは面白いと思ったが、実は話のきっかけにしかなっていないのではという気もする。著者の現在の専門が数理経済学なのでどうしても経済の話が多くなるのが良いのか良くないのか?2007/01/11
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