NHK出版新書<br> 風呂と愛国―「清潔な国民」はいかに生まれたか

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NHK出版新書
風呂と愛国―「清潔な国民」はいかに生まれたか

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  • サイズ 新書判/ページ数 272p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140887295
  • NDC分類 383.6
  • Cコード C0236

出版社内容情報

「きれい好きな」日本の私?

日本人らしさとして語られがちな「毎日風呂に入るのが当たり前」「バスタブでお湯に浸かりたい」という感覚。私たちが無意識に内面化しているこの意識は、いったいどこからきたのだろうか? 西洋人が見た江戸の庶民の入浴習慣から、「日本人は風呂好き」言説のルーツ、家政書で説かれた「清潔な国民」を育てるための女性の役割、さらには教育勅語と関わる国民道徳論で議論された、身体・精神の「潔白性」まで。入浴を通して見えてくる、衛生と統治をめぐる知られざる日本近代史!

内容説明

日本人らしさとしても語られがちな「毎日風呂に入るのが当たり前」という意識。私たちが無意識に内面化しているこの感覚は、いったいどこからきたのか?西洋人が見た江戸の庶民の入浴習慣から「日本人は風呂好き」言説のルーツ、家政書で説かれた女性の役割、さらには教育勅語と関わる国民道徳論で議論された、精神の「潔白性」まで。風呂を通して見えてくる、衛生と統治をめぐる知られざる日本近代史!

目次

第1章 風呂とは古来なんだったのか―前近代の湯屋と西洋のまなざし
第2章 管理・統制される浴場―明治期の湯屋をめぐる風景
第3章 「風呂好きな日本人」の誕生―入浴はなぜ美徳になったのか
第4章 日本の新しい公衆浴場―欧米の公衆浴場運動と日本の入浴問題
第5章 近代日本の新たな「母親」像―家庭衛生から「国民」の創出へ
第6章 精神に求められる清潔さ―国民道徳論と「潔白性」
第7章 世のため国のための身体―国定修身教科書のなかの清潔規範

著者等紹介

川端美季[カワバタミキ]
1980年神奈川県生まれ。立命館大学生存学研究所特別招聘准教授。専門は公衆衛生史。立命館大学先端総合学術研究科修了。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うえぽん

53
公衆衛生史家が日本の入浴習慣の形成を分析した書。仏教の施浴、鎌倉期以降の営利目的の浴場、江戸の建設労働に必須だった湯屋等が入浴文化の基礎を形成。明治期の西洋人による混浴文化への眼差し、黄禍論への対抗、英独米の公衆浴場運動からの影響にも着目。家政書、国民道徳論、修身教科書等を参照しつつ、国民を統合する道徳、日本人の特性の一つに清浄潔白があるとし、清潔、健康は社会や国のためとの考えが定着したとする。都市部の銭湯の分析等により特定の労働者層等への入浴習慣の浸透は理解できたが、農村での習慣を含めた分析も望まれる。2025/03/16

松本直哉

25
明治30年代、欧米との比較の中で生れた「日本人は風呂好き」の説が、身体的清潔と道徳的潔白の同一視によって、誇るべき国民性とされ、子どもを入浴させて清潔を保つのが良妻賢母の務めとされ、やがて戦争に向けて国民精神の統一の要となる。本書はここで終っているが、知りたかったのは、今の時代の極端なまでの除菌抗菌消臭への妄執、体臭や口臭への強迫的なまでの恐怖、それらを消すための人工香料への偏愛などの流行が、戦前における清潔への執心とどのような関係を持つのかだった。道徳的規範だったものが今では生理的執着とさえ思えるのだが2025/02/10

さとうしん

14
江戸時代の入浴習慣が近代になってから西洋的な「清潔」の観念から評価されるようになり、外国人と比較のうえで「日本人は入浴好きである」と国民性と結びつけられ、修身の授業や家庭教育を通じて子どもたちやアイヌ、沖縄といった外地の人々にも入浴習慣を徹底するに至る過程を描く。戦前・戦中までは清潔さが国家によって押しつけられたということになりそうだが、昨今は逆に精神的不潔さというか悪どさのようなものが押しつけられがちに見えるのが何とも皮肉なことである。2024/10/30

二人娘の父

9
荻上チキセッションにて知った著書。https://open.spotify.com/episode/0JnVTFUPwTMYaaqIfDGLJ1?si=oiy2bvMnQxKP7kg5gfthRw 振り返ってみると、風呂と言えば生活に密着したものであるが、なぜ「毎日入るのか」などと考えたこともなかった。生活規範が歴史的に形成されてきた過程に着目するという、王道ではあるが、その対象が風呂と言う点が、非常に面白かった。ちなみに私は「毎日入浴は面倒派」です!2025/04/17

入道雲

4
ラジオ番組で著者のトークを聴いて読む。風呂、清潔、愛国、思いも寄らない繋がりで興味深い。2025/04/12

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