NHK出版新書<br> 壁とともに生きる―わたしと「安部公房」

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NHK出版新書
壁とともに生きる―わたしと「安部公房」

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  • サイズ 新書判/ページ数 271p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140886755
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

不自由で理不尽な社会で、心涼やかに生きるには?

自由に生きれば欠乏し、安定すれば窮屈だ。どうしようもなく希望や理想を持っては、様々な”壁”に阻まれる――。そんな私たち人間のジレンマを乗り越えるヒントは、戦後日本のカオスを生きた作家・安部公房にある!「マンガ家・ヤマザキマリ」に深い影響を与え、先の見えない現代にこそその先見性が煌めく作家の「観察の思考」を、著者の視点と体験から生き生きと描き出す!(NHKEテレ「100分de名著」2022年6月放送予定「安部公房 砂の女」に講師出演決定)

内容説明

孤高の“人間観察眼”を持ち、あらゆる不条理、予定調和の崩壊と向き合った作家・安部公房の普遍性を、漫画家・ヤマザキマリが体験的に語る。戦後の混沌を生きた作家が遺した、不条理な社会を生きるヒント。

目次

第1章 「自由」の壁―『砂の女』
第2章 「世間」の壁―『壁』
第3章 「革命」の壁―『飢餓同盟』
第4章 「生存」の壁―『けものたちは故郷をめざす』
第5章 「他人」の壁―『他人の顔』
第6章 「国家」の壁―『方舟さくら丸』

著者等紹介

ヤマザキマリ[ヤマザキマリ]
1967年生まれ。漫画家・文筆家。17歳のときに渡伊、国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で油絵と美術史を専攻。エジプト、シリア、ポルトガル、米国を経て各地で活動したのち、現在はイタリアと日本を拠点に置く。1997年より漫画家として活動開始。2010年、『テルマエ・ロマエ』(エンターブレイン)で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。2015年度芸術選奨新人賞受賞、2019年、日本の漫画家として初めてイタリア共和国星勲章・コメンダトーレを受章。東京造形大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

132
極貧のイタリア留学中に著者は安部公房を知り、強く引きつけられた。壮絶な満洲引き揚げ体験が色濃く反映された安部文学に、自分が味わっているのと同じ飢餓感と同時代人への違和感という、狭い日本でぬくぬくと生きる者には理解できない根本的な部分で共鳴したのだ。『テルマエ・ロマエ』に見られる人物造形は、安部と同じ欠乏体験から生まれたとは初めて知った。ただ安部が妻子と別居し、愛人の山口果林と後半生を過ごした点に触れていない。その時期に書かれた『方舟さくら丸』には、他者との関係に苦しむ安部の思いがにじんでいるのではないか。2022/07/18

keroppi

82
今月のNHK「100分de名著」は、ヤマザキマリ解説による安部公房「砂の女」。それに合わせるように本書が刊行された。「テルマエ・ロマエ」くらいしか知らなかったヤマザキマリが安部公房?と思ってしまったのだが、読んでみると安部公房文学へのかなり深い考察が繰り広げられる。イタリアでの極貧の異邦人体験が安部公房との共鳴を呼び、「心の師」と仰ぐようになる。私自身、若い頃、自分の壁の中に閉じこもることが多く、そういう時に出会った安部公房は、大好きな作家となった。この本を読みながら、また安部公房を読みたくなってきた。2022/06/12

ネギっ子gen

63
【迷妄し苦悩する日々の中では、安易に甘い希望や夢を与えるようなものではなく、理不尽さや孤独と真正面に向き合うところから始めるべきだ】春樹本じゃない。“壁”ったら、安部公房だよね。著者は若くしてイタリアに留学したが、極貧の生活の中で絵を描き続けるも、貧困という現実に打ち拉がれ、先がまったく見えない状態。画家や作家が集うサロンで、主催者から「これを読みなさい。今の君はこういう文学に触れておくべきだ」と手渡されたのが、あの須賀敦子がイタリア語に翻訳した『砂の女』だった。マリ氏は思った。「これは私のことだ」と。⇒2023/06/07

Vakira

62
おお~マリさん、素晴らしい。凄い分析力と思考力。その解釈は感動に値する。コボさんモヤモヤ、マリさん解釈ですんなり共感解決いたしました。そうなんです。共感解決(また個人的に新熟語創出)。すっかり共感、そしてその解釈にモヤモヤ解決。こんなにも深く安部公房を感じる事が出来てありがたいです。マリさんは「ルーブル9」という9番目の芸術展で知りました。「テルマエ・ロマエ」の作者ぐらいしか知識なく、まだその本も読んだことなかったんです。これを機会に読んでみようと思います。「弱者への愛には、いつも殺意が込められている」2022/07/07

まる

50
学生の時、安部公房を学んでいたので、読んでいて懐かしかった。ヤマザキマリさんの安部公房への愛に溢れる本だった。2024/01/23

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