出版社内容情報
日本人の幸福とは何か?
誰もが知る“批評の神様”は、本当は何を書こうとしていたのか? 文芸批評家、芸術論の名手、古典研究の伝統主義者、果ては現代思想の先駆者……小林に付きまとうイメージはじつに多岐にわたる。長きにわたって小林の文章を読み解いてきた気鋭の批評家が、まさに批評の始祖としての小林の多様な作品群の核心に見出したのは「人生の教師」という立場だった。この観点から小林の作品群の全体像を提示し、さらに小林の「生活形式」という思考の枠組みをヒントに、彼が一貫して近代日本人の自立と「それを支えるもの=幸福の根拠」を探求していたことを示す。新視角の小林論にして画期的な日本人論!
内容説明
誰もが小林秀雄を知っている。だが小林の最大の関心事が何であったかを知る人はいない―。本書はこの状況を打開しつつ、現代の日本人に向けて確かな「生きる指針」を与える。日本最高の知性と呼ばれた小林の活動を三期に分けて、小林自らの問い、「人生いかに生くべきか」への答えが深化し明確になってゆく過程をクリアに描き出すのだ。気鋭の批評家が懇切丁寧に語り下ろす、「小林秀雄・入門講義」にして真正な日本人論。
目次
序章 「人生の教師」という像
第1章 批評とはどんな営みなのか(近代日本が抱えた問題;小林秀雄の半生;いかに「意匠」から自己を守るか)
第2章 自己を支えるものとは何か(「故郷を失う」とはどういうことか;ドストエフスキー論―歴史について;戦争と伝統―「文学と自分」)
第3章 直観を信じるということ(敗戦と「私の人生観」;「美」を求める心―「ゴッホの手紙」から「近代絵画」へ;信じることと知ること―『本居宣長』と「山の人生」)
終章 「栗の樹」はどこにあるのか
著者等紹介
浜崎洋介[ハマサキヨウスケ]
1978年生まれ。文芸批評家。雑誌『表現者クライテリオン』編集委員。日本大学芸術学部非常勤講師。日本大学芸術学部卒業、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は日本近代文学、批評理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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