出版社内容情報
2021年大河ドラマの主人公・渋沢栄一の生涯と思想が分かる!
挫折と変転を繰り返し、一見矛盾に満ちた渋沢の生涯。その奥にある一貫した行動原理とは何か。「論語」の独自解釈から生み出された思想を、大ベストセラー『現代語訳 論語と算盤』の守屋淳が、わかりやすく解説する。「論語」と「算盤」という対極の意味から、答えのない時代に生きるヒントが見えてくる。
内容説明
日本の資本主義を創った人物・渋沢栄一。その生き方は、答えのない時代にこそ注目され続けてきた。彼の行動原理とは何か。その生涯と思想をわかりやすく読み解きながら、偉業の背景にある核心に迫る。「論語」の独自解釈による、道徳と経済を一致させた「論語と算盤」思想の意味が明らかに。中国古典の研究者であると同時に、渋沢栄一に精通し、『論語と算盤』の現代語訳を手がける著者による、渋沢栄一入門の決定版!
目次
第1章 激動の前半生―渋谷栄一の生涯1
第2章 社会と経済をともに育む―渋沢栄一の生涯2
第3章 渋沢栄一の行動原理
第4章 なぜ「論語と算盤」は唱えられたのか
第5章 合本主義とは何か
第6章 なぜ『論語』なのか
第7章 対極をバランスする思想
著者等紹介
守屋淳[モリヤアツシ]
作家。1965年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。中国古典の研究者として多くの著作を発表するとともに、渋沢栄一や明治の実業家にかんする著書・翻訳を数多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ほりん
30
渋沢栄一の生涯、行動原理、なぜ「論語と算盤」なのかなど。渋沢は、農民から武士となり、役人、実業家へと、転進する。表面だけ見ると彼の人生はバラバラだ。しかしその芯には、「公益」のためという高い理念があった。1つの事業を始めるとき、「儲かるか」ではなく「国・社会にとって必要か」をまず考え、必要なら投資をして利益が出るまで支える。そのようにして何百もの会社を作った。社会事業にも取り組んだ。独裁を嫌い、対極の要素をバランスよく包含する広さを持ち続けた。高潔で柔軟な人物。心から尊敬する。2021/06/01
KF
11
「やっと読み終えて開放してもらえる」感覚です。幕末から近代に色々な立場で活躍している偉人なので、この作者とは別の視点で読んでみたい、とは感じました。立場、場面が豊富であり、人生のどの部分を描写しても読み物としてはかなり楽しめそうです。が、「論語と算盤」を含め、どうにも読み応えに不満。どうしても「こう述べています」「こういう解説があります」という書き方が多く、気に障る感じがしました。本人は主張しているのでしょうが、違和感を感じて読むと「人の論を使って代筆しているのか?」と感じざるを得ませんでした。2023/06/24
りの
3
渋沢栄一の半生と『論語と算盤』の入門にぴったりの一冊。図書館で同系列の本を見たが、ただあらすじを追うよりも栄一半生に絡めて論語を解説するので理解しやすい。論語の思想に基づいて行動していたというよりは、「日本を強く繁栄した国にする」という彼の強い想いがあったからこそ「邁進していたら、結果的に論語の思想ととても近くなっていた」というのがリアルに感じられた。だからこそ倒幕サイドから一橋家に仕えたりの転身も頷ける。日本の江戸時代から続く商人の考えと倫理についても書かれ、良くも悪くも時代の変革期であったと感じられた2024/10/07
mikoto_oji
3
大河ドラマと渋沢ゆかりの地の近所にいることから、渋沢栄一を知ろうと考え始めました。いままでなんとなくスゴい人で終わらせてたのが、本当に申し訳ないです。幅広い知識を持ち、偏見を持たず、差別をせず。今こそ渋沢を学ぶべきに思います。2021/05/26
たかましや
3
より良い国を造るというぶれない強い志と、それを実践する気概と実行力、その過程における柔軟性。渋沢栄一なくして今の日本なし。どうやら最近は、『論語』を笠に着た『算盤』に傾倒した者や、『算盤』抜きに『論語』だけを語る者が多い気がする。その意味では、我々は、渋沢氏のような、それらをバランシングする能力を磨かねばならないと思う。2021/05/08
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