NHK出版新書<br> いまこそ「小松左京」を読み直す

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いまこそ「小松左京」を読み直す

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  • サイズ 新書判/ページ数 285p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140886298
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

戦後日本を代表するSF作家として知られる小松左京。その作品は、大規模自然災害、ウイルス・パンデミック、科学技術の進歩と限界等、現在の私たちが直面し、未だ解決できない問題を先取りするかのようなリアリティを持っていることから、いまふたたび注目を集めている。彼は危機の予言者なのか? それとも――。
作家としての出発点『地には平和を』、日本SFのオールタイムベスト『果しなき流れの果に』、460万部超の大ベストセラー『日本沈没』、カルト的な人気を誇る『ゴルディアスの結び目』、未完の遺作『虚無回廊』等、小松の仕事を画期する代表作群を読み解き、時代を超える洞察の淵源をさぐる。小松左京を「SF作家」にとどまらない、戦後最大の知識人として捉えなおす試み!

(目次)
はじめに 戦後日本SFとは何だったのか――小松左京を通じて

第1章 現実に「木戸銭」を払って――「銃後」から「廃墟」へ
『地には平和を』『戦争はなかった』『ヤクトピア』
SF作家、小松左京が生まれるまで/ダンテ『神曲』との出会い/例外的な私小説/聖戦貫徹のパラレルワールド/〝この現実?への抗い/「現実」の底を掘り抜く/廃墟から自由への道/ほか

第2章 宇宙を超えるための「闘争」
『果しなき流れの果に』『神への長い道』『彼方へ』
残された難問(アポリア)を問い直す/闘いの構図/『幼年期の終わり(チャイルドフッズ・エンド)』を超えて/〝闘争?から〝超越?へ/エイリアンによる福音と、哲学の袋小路/認識によるブレイクスルー/進化の加速主義/脱構築し続ける神話体系/ほか

第3章 滅びとエクソダス
『日本沈没』
空前の大ベストセラー/戦後政治と「新しい日本人」/『果しなき流れの果に』の余映/大阪万博と未来学/希望の未来、絶望の未来/近代国家とポストモダンの〝くに?/業(カルマ)としてのアイデンティティ/生き残る者たちの「寓話」/ほか

第4章 トラウマとブラックホール
『ゴルディアスの結び目』
〝知の旅?が遭遇するもの/「出発」――知覚の扉を開けて/宇宙に〝開かれた?岬/「渦」――その球体は何なのか?/深層意識への潜行(ダイヴ)/エクソシストと量子重力理論/宇宙の本質をめぐる超神学論争/歴史的怨念が凝集し、時間と空間が入れ替わる/ほか

第5章 虚イマジナリーと実リアルの通路
『虚無回廊』『結晶星団』『雨と、風と、夕映えの彼方へ』
小松SFの「未完の集大成」/二度の中断と〝途絶?/「実存」は実在するのか?/天才ジェランの「一般自然言語」/〝SS?と宇宙構造のごみ捨て場』/書かれなかった結末/物語の円環は閉じられた。しかし……/目的論への傾向/「人間原理」と「現代の神話」/ほか

世界と出会い直すために――あとがきにかえて

内容説明

大規模自然災害、ウイルス・パンデミック、科学技術の進歩と限界…。驚くべき精度で「現在」を予見した小松左京の作品に、いまふたたび注目が集まっている。彼はなぜ「未来」を見通すことができたのか?『日本沈没』をはじめとする代表作を読み解きながら、いちSF作家を超えた、戦後最大の知識人の洞察の淵源を探る。

目次

はじめに 戦後日本SFとは何だったのか―小松左京を通じて
第1章 現実に「木戸銭」を払って「銃後」から「廃墟」へ―『地には平和を』『戦争はなかった』『ヤクトピア』
第2章 宇宙を超えるための「闘争」―『果しなき流れの果に』『神への長い道』『彼方へ』
第3章 滅びとエクソダス―『日本沈没』
第4章 トラウマとブラックホール―『ゴルディアスの結び目』『岬にて』
第5章 虚と実の通路―『虚無回廊』『結晶星団』『雨と、風と、夕映えの彼方へ』
世界と出会い直すために―あとがきにかえて

著者等紹介

宮崎哲弥[ミヤザキテツヤ]
1962年、福岡県生まれ。評論家。相愛大学客員教授。慶應義塾大学文学部社会学科卒業。専門は仏教思想・政治哲学。サブカルチャーにも詳しい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

154
小松SFを考察する素晴らしい論考。小松SFは自然科学の外を用いる文学的技術ではなく、自然・社会・人文科学を包摂する哲学だと。「地にはー」は現実に対する虚による自由さの探求を。「果てしなきー」は文学的想像力による科学的相対化を。「日本沈没」は国家はなく地域的集合体が社会の主体であることを。「ゴルディアスー」は実存や実体だけが主体ならその集合は異常な乱雑さから崩壊することを。「虚無回廊」は個々の混沌とする存在で結果として形成される世界や方向を。小松さんは科学がほんの欠片であることを自覚し世界に挑戦したと評す。2022/04/17

へくとぱすかる

88
科学の解説本を読んでいると、小松左京の小説がなんとなくわかるように錯覚するのだが、なかなかどうして、小松文学の奥深さはそんなものではなかったようだ。そこから先、極限まで思考して問いかける姿勢が、作品を貫いていることを知る。代表作とされることの多い「果てしなき流れの果てに」がまず論じられるが、かなり以前に通読したものの、圧倒されて、しびれるように読み終わった記憶だけが残っている。ぜひ読み返したい。小松作品の根底には、少年時代の戦争体験がまずあり、それが歴史や時間をテーマにした作品につながっていった、と。2020/07/20

keroppi

86
「復活の日」や「日本沈没」や「アメリカの壁」が、今の時代を予言したと話題になっている。この本は、小松左京の代表作を振り返りながら、その表層的な事象ではなく、奥にある思想を読みとって欲しいと訴える。戦争が終わらなかった日本を扱った「地には平和を」を含めて、基本としてある現実を否定する想像により、今ある世界や自分と「出会い直す」ことになる。その「出会い直し」が小松左京作品の魅力と言えるのだろう。ただ、その想像力の素晴らしさが「出会い直し」を可能にしているのだが。今こそ、「小松左京」を読み直したくなった。2020/09/26

パトラッシュ

58
小松左京と同時代を歩んだが、作品の面白さに感心してもそこにこめた思想までは考えが及ばなかった。哲学や宗教の専門用語が混じる文章はやや読みにくいが、『日本沈没』などの有名な長編だけでなく中短編までも読み解き、小松が単なるSF作家ではなく人類が地球で生きる上での「業」を追求してきたプロセスを明らかにする。「なぜ宇宙はできたのかの解明を神学の対象にする」ことを小説の形で実現したからこそ、自然災害やパンデミックなど人の世の未来を見通せたのだ。ニーチェは「神は死んだ」と述べたが、小松思想は「宇宙こそ神」と唱えるか。2020/11/22

coolgang1957

47
小松左京……良くここまで深く考察できるもんです。難しい言葉使いが苦労しました。小松左京といえば「日本沈没」「復活の日」etc.メジャーなものは読んだことありますが、イメージは〝大阪万博〟〝米朝との楽しげな会話〟などで、宮崎さんのこんな深読みは面白い。/「……その手つづきそのものが、実は大変西欧的なパラダイムに滲透されている……」(p 246)➡︎ニュートンやアインシュタインも実は地球的なパラダイムに滲透されてないかと物理学は正しいのかとちょっと心配!2020/10/29

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