NHK出版新書<br> プラトン哲学への旅―エロースとは何者か

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NHK出版新書
プラトン哲学への旅―エロースとは何者か

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  • サイズ 新書判/ページ数 237p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140886021
  • NDC分類 131.3
  • Cコード C0210

出版社内容情報

愛することが哲学だ

えっ!? 紀元前のアテナイにタイムトリップ? ソクラテスと、愛(エロース)について対話する? 当代随一の西洋古代哲学者が、プラトンの名著『饗宴』を再現して挑む、前代未聞のギリシア哲学入門書。

内容説明

本書は、哲学者プラトンの代表作で、古代ギリシア語の散文作品として名高い『饗宴』のなかに、語り手の「私」(「現代からの客人」)が列席し、ソクラテスら演説者たちと「愛(エロース)」をテーマに競演する、類を見ない教養新書である。「哲学(フィロソフィア)」という言葉は「知(ソフィア)」を「愛し求める(フィレイン)」という意味の合成語。哲学=愛であることが、いま明かされる。

目次

第1話 誘う―アカデメイアに立つ(一つの旅;古代ギリシア;アカデメイアの杜;学園訪問;パピルス巻物)
第2話 競う―恋愛とはどんなものか(朗読会;声の連鎖;祝勝宴会;アリストデモスの誘い;ソクラテス登場;愛をめぐる言論;聖なるエロースと世俗のエロース;宇宙的エロース)
第3話 求める―欲望は満たされるか(半分になった人間;主役の演説;ソクラテスの問答;エロースは神ではない;欲望としての愛;私たちは何者か?)
第4話 出会う―美のイデアを目指して(美の中で出産する;愛の導き;美の上昇;イデアと出会う;洞窟の中で)
第5話 乱れる―愛することが哲学だ(アルキビアデス乱入;ソクラテス礼賛;かけがえのない愛;饗宴の幕引き)

著者等紹介

納富信留[ノウトミノブル]
1965年東京都生まれ。東京大学大学院教授。東京大学大学院人文科学研究科哲学専攻修士課程修了。ケンブリッジ大学大学院古典学部博士号取得。慶應義塾大学教授を経て、現職。専門は西洋古代哲学。2007~10年国際プラトン学会会長。『ソフィストとは誰か?』でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

44
同じNHKなので『100分De名著』がきっかけになっているのは間違いない。しかし、番組のテキストと全く構成、語り口が違うことに著者のプライドをみる。番組では語っていた著者が本では直接語ることは出来ないので、とても柔らかい口調で語りかけているような構成に大変気を遣っている。当時の社会状況、『饗宴』がどのように読み継がれてきたのか、他の対話篇のテクストとの関係などが強調されている。むしろ『饗宴』の中身よりもその形式、『饗宴』の登場人物であり喜劇詩人アリストファネスを『饗宴』は模倣しているのではないか。最後の付2022/11/04

速読おやじ

22
プラトンの「饗宴」をモチーフに、当時に著者がタイムスリップをして、それぞれの演説を聞いて、解説をしてゆくといった書。なかなかにアイデアとしては面白いし、饗宴を全く読んでない僕のような人にはプラトン入門書としては良いのではないか。エロースとは?美とは?肉体的な美、精神的な美、知的な美がある。愛とは?著者はラストに近いところで、こう説く。私たちは魂と魂の間で言葉をかわしながら、何か絶対的なものを愛し求め、共に生きている。対話する言論が、愛する人間の哲学であり、そうして芸術や文学や人生を生み出すのだと。2021/12/17

スプリント

10
プラトン著作である「饗宴」を解説した本です。構成が凝っていて、過去へのタイムトラベルし登場人物にインタビューする体裁をとっています。昔の「マンガ初めて物語」を思い出しました。2020/01/04

mikio

9
『饗宴』が催されたその場に、著者納富先生がタイムスリップしご自身も参加してしまうというパロディ。東大教授とは思えないユーモラスな構成と語り口。なるほど『饗宴』自体がプラトンの創作でありパロディであることに思い当たる。「学説や哲学書を分析する学術論文という形でしか遂行されないアカデミズムは、哲学という精気を保ち得るのでしょうか。哲学のパロディ、あるいはパロディの哲学が、哲学をはるかに超越する哲学を出産する日を夢見ながら。。」(付録)やはりプラトンは偉大だ。2024/01/03

市井吉平

6
プラトン『饗宴』の先に読んだ時はよく分からなかったのですが、その後『饗宴』を読んで本書を読んだら、少し面白くなりました。現実と虚構が入り混じるような感覚…でもその中で哲学対話の場面に私たちも立ち会っているような感覚になります。『饗宴』自体が本当に文学と呼びたくなるものなのですが、納富さんの書きぶり(語りぶり)も文学的と呼びたくなります。納富さんご自身がその場にいる気持ちで書いたのでしょうね…。哲学とは書くこと、対話することの中に立ち現れるものーそんなに思いをさせてくれる一冊です。2024/08/27

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