出版社内容情報
他人事ではない、「親子共倒れ」社会の現実
長期・高年齢ひきこもり──「8050問題」に大きな注目が集まるいま、長く社会的孤立を研究してきた専門家が、全国規模の調査・リポートをもとに問題の本質を明らかにする。同時に、親子共倒れから脱する具体的方策を提言する。
内容説明
長期・高年齢ひきこもり―「8050問題」に大きな注目が集まるいま、長く社会的孤立を研究してきた専門家が、全国規模の調査や支援現場のフィールドワークをもとに問題の本質を明らかにする。同時に、「親子共倒れ」から脱する具体的方策を提言する。すべての現代人が読むべき一冊。
目次
第1章 終わらない子育て(家庭に閉じ込められるひきこもり問題;ひきこもりとは ほか)
第2章 ひろがる社会的孤立と8050問題(介護の導入をきっかけに孤立した人をみつける;二重の孤立をもたらすひきこもりと介護拒否 ほか)
第3章 ひきこもり支援の糸口(無業者やひきこもる人への支援の展開;代表的な相談先 ほか)
第4章 限界家族をどう救うか(他人に迷惑をかけたくない;縮小し、脆弱化する家族 ほか)
著者等紹介
川北稔[カワキタミノル]
1974年、神奈川生まれ。愛知教育大学教育学部准教授。名古屋大学大学院博士後期課程単位取得修了。社会学の立場から児童生徒の不登校、若者・中高年のひきこもりなど、社会的孤立の課題について調査・研究を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
485
「ひきこもり」という言葉や概念が一般的になってどれくらい経つのだろう。それまでも存在していなかったわけではないと思うが、当時焦点が当たった世代が今、高齢化を迎えているという。問題の根底原因、親の苦悩、差し出される公的機関や民間の救いの手。とてもよくまとまり、「自分なら…?」と読者を引き込む手腕にも長けている。知ったからと言ってさてどうしたら…と途方に暮れる一冊でもある。2021/12/11
nyaoko
80
まさに、この8050世代である。訪問介護員をしていた時に、同世代で引きこもりの子供がいる世帯がいくつかあった。ヘルパー中、自室に籠って出て来ない人もいれば、「祖父母の介護があって働けない」と言う孫もいた。老人はそれまでに築いた人間関係や、医療、福祉の人や法律のセーフティネットに引っかかることがあるのに、若くして引きこもりで社会から遠ざかった子供には何も支援の手がないのはあまりに悲惨。2020/02/20
佐島楓
80
ひきこもり当事者が50代、その親世代が80代という「限界家族」をテーマにした本。まず、ひきこもっている我が子をどう支援につなげていくかを具体的に指南しており、目を開かされる思いであった。これは当事者やご家族のヒントになると思うので、是非読んでいただきたい。思っていた以上に支援の道筋はさまざまにある(地域格差はあるかもしれないが)のである。また、この問題が他人事ではないことは、高齢者ひきこもりの数の多さや単身者が増加していく今後を考えても明白である。家庭の恥という意識を捨て、正しい精神医療知識を持つべき。2019/09/08
里季
57
昨年川崎と練馬で起こった、中年男性とその家族の事件は社会に衝撃を与えた。本書はたくさんの事例を元に、その原因、要因と模索される対処の方法が提示されていて分かりやすい。今は対岸の火事のように読んだけれど、いつそのような事態になるやもしれない。それだけ現代社会は限界に近づきつつあるのだ。見につまされる内容だった。2020/02/03
のんぴ
31
人に迷惑をかけてはいけない、社会のお世話になるぐらいなら自分たちで命を終わらせるしかない、と思い詰めさせてしまうような自己責任を煽る風潮がある。社会の役に立てないのなら生きている意味がないと思い詰めてしまう当事者をいかに家族以外の人につなげるかの示唆に富んだ事例紹介の数々。往々にして有用かつ正当に受ける権利のあるサービスの情報は、行政の出し惜しみなのか、当事者に知られていないことも多く、NPOや家族会などに相談することで経験豊富なスタッフがよい方向に伴走してくれることもある。家族で抱え込まないことが大事。2019/09/28
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