内容説明
米中貿易戦争は序章に過ぎない―。北朝鮮、技術覇権、南シナ海をめぐる強硬な外交によって激しく衝突している両国。「新冷戦」とも言われる、この対立の背景に何があるのか?2021年に中国共産党100年を控えた「アジア新皇帝」習近平の壮大な野望とは!?日本有数の中国通ジャーナリストが、「習近平外交の全容」を長期取材に基づき読み解く!
目次
はじめに―「米中新冷戦」時代の夜明け
序章 期待―「中華帝国」2021年の野望
第1章 取引―習近平とトランプの邂逅
第2章 協調―北朝鮮を巡る神経戦
第3章 自信―トランプを屈服させた「中国模式」
第4章 強権―習近平新時代の到来
第5章 対決―宣戦布告に殺気立つ北京
第6章 争奪―米朝会談と中国の思惑
第7章 開戦―米中貿易戦争の真実
第8章 焦燥―追い詰められる中国
終章 冷戦―米中衝突はどこに向かうか
著者等紹介
近藤大介[コンドウダイスケ]
1965年生まれ、埼玉県出身。東京大学卒業、国際情報学修士。講談社『週刊現代』編集次長、『現代ビジネス』コラムニスト。明治大学国際日本学部講師(東アジア国際関係論)。2009年から2012年まで講談社北京副社長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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skunk_c
18
中国ワッチャーのジャーナリストが、中国における習近平体制の確立とトランプ大統領就任から、昨年秋までの「貿易戦争」に至るまでのプロセスを、北朝鮮情勢を絡めながら、ほぼ時系列に整理したもの。米中の報道をリアルタイムでつぶさに収集して書かれており、事態の展開が生々しく、かつ読みやすい。流れを追うには適当。ただしあまり深みは感じられず、特に貿易が問題になっているのに、その背景にある経済構造がよく見えない。トランプのバッシングは選挙対策だろうが、アメリカ多国籍企業の動向がよく見えないのだ。食い足りない印象。2019/02/17
ちくわん
17
2018年11月の本。終章にある2020年11月の、まさにその日に読了。相性のよい作家さん。細かいことまで書いてあり、勉強になる。さて、大阪に続いてアメリカはどうなる?2020/11/03
mazda
13
2年前の本ですが、この頃はまだ北朝鮮が駄々をこねていて、中国とアメリカがまだ関係良好だったんだな、と懐かしく思いました。また、中国の工作活動が活発で、トランプを丸め込めると考えていたことが明確でした。今となってはまだ当時の方が関係がよかったと思いますが、自ら墓穴を掘って後戻りできない状況を作った中国を、世界各国で注視していく必要があると思います。2020/08/20
ランラン
8
中華民族の偉大なる復興と掲げて前面に押し出してきた習近平。想像だが組し易しと見ていたトランプ大統領がまさかここまで対抗してくるとは思わなったであろう。鄧小平が野望はあっても米国と衝突することだけは避けてきただけになぜ習近平は前面にでてきたのであろうか。それは抵抗勢力を排除し政治基盤が盤石になり、憲法改正により任期を無期限にすることで自信を深めたことと、トランプ大統領の訪中時にディールを行いそれを喜んだ発言を聞き慢心したからなのかもしれない。2019/09/05
sakadonohito
5
トランプと習近平の外交ペチペチ。最初習近平はトランプを組みしやすい相手と甘く見ていたのが分かる。トランプは少年漫画の主人公のように感情で最短距離を正面突破しようとしてくる。それが意外にも中国を苦しめることに奏功しているように思えた。沖縄尖閣台湾香港南シナ海の領域問題、トランプからバイデンに変わってどうなっていくのか気になるところです。2021/05/29