内容説明
なぜ人は録音した自分の声が嫌いなのか?どうして「いい声」の人の言葉には、そうでない人より説得力があるのか?私たちが普段何気なく使い、聞いている声には、じつは絶大な力が秘められている。それは人の心を動かし、揺さぶり、自分自身の心身さえ変えていく力を持っている―。声という神秘的で謎に満ちた「音」の正体を、多彩な知見と豊富な事例からひもとく驚きの書。
目次
第1部 声はあなたのすべてを晒す(聴覚、脳の驚くべき仕組み;病気になるとどうして声が変わるのか;あなたの声は社会によって作られている)
第2部 人を「動かす」声の力(教会の天井はなぜ高いのか;政治家の声はどこまで戦略的?;ブルーハーツの歌はなぜ若者の心をつかんだのか)
第3部 自分を「変える」声の力(どうして人は自分の声が嫌いなのか;私たちの「本物の声」とは;自分の声を定着させるには;声はあなたの人生の味方)
著者等紹介
山崎広子[ヤマザキヒロコ]
音楽・音声ジャーナリスト。「音・人・心研究所」理事。日本音楽知覚認知学会所属。国立音楽大学卒業後、複数の大学で心理学および音声学を学び、認知心理学をベースに人間の心身への音声の影響を研究している。学校教材の執筆も多く手がけ、NPO法人「ミュージックソムリエ協会」では音楽心理学の講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
327
「声はその人のすべてを晒す(さらす)」このフレーズにハッとさせられた。ひと声で体格・性格・生い立ち・既往症・親兄弟の性格までが、わかってしまうという。中国には古来から人相ならね「声相」という易学があり声で病気診断も。さらに、「声は社会がつくる」にもビックリ! ヨーロッパでは”石の家”だから反響しすぎないように、胸を響かせる低音の声となり、対して日本は”木と紙の家”で響かないので胸でなくノドで高音を出す。声が遺伝子を修復したり意識することで、「心を揺さぶる声」を出すこともできる、など発見が多い1冊だった。2025/06/03
アナーキー靴下
81
自分の声が嫌いなのは脳が望む声ではないから、とか、声の「他者への影響力」「自分自身への影響力」に意識を向けよう、といった主題は面白いのに、タイトルが頂けない。感覚的には本書に首肯するものの、データなし、ソースなしの、声にまつわるエッセイに「声のサイエンス」は違和感あり。「声の正体」とかだったら、声を色々なアプローチで見せてくれている、と感じ断然好印象だったと思う。日本人の声の美意識は「雑音」にある、は気になり、例えば静かな自宅よりスタバで勉強した方が捗る、みたいな人は欧米人にはいなかったりするのだろうか。2021/08/15
ミライ
49
人は言葉ではなく声によって動かされている、、、本書は「声」という「音」の正体に迫る。声が発せられるしくみから、周りの環境・社会によって形作られる声の癖、 人を動かし自分を変える声の力に迫る。日本人の心をつかんだ政治家・田中角栄のダミ声、若者を引き付けるB`z稲葉浩志・甲本ヒロトの声の力など、影響力のある人物の声を例に分析されているので内容非常にわかりやすかった。自分の声をメンテナンスし、「自分の本当の声」を見つける手法も紹介されているので、自分の声に自信がなく悩んでいる方におすすめの一冊です。2019/08/24
リキヨシオ
25
「声は履歴書以上に個人情報は晒す」と言われるほど重要な「声という音」…それなのに日本人の80%が「自分の声が嫌い」と回答する。そんな自分の声へのコンプレックスは、自己アピール力や自己肯定感の低さにも繋がってくる。この国特有の「みんなで揃える教育」が声という個性を抑制してしまい、自分の声へのコンプレックスに繋がっている側面もある。しかし演説上手な政治家や有名歌手など声という個性を武器としている人もいる。自分の声を理解する事から始めて、自分のいいなと思う声を認識する…声自体に関する教育が進めばいいなと思った。2019/08/26
hk
25
「声」というものに特化した一冊。昨今「話し方」を題材にした書籍は食傷気味だ。しかし「話し方」ではなく「声そのもの」に的を絞った書籍は数えるほどしかないのが現状である。本書は「何を話しているか」よりも「どんな声で話しているか」が伝えるための肝だとした上で、「人を魅了する声」を精査していく。 『欧州=低く通る声◆中東=甲高い声◆アジア=比較的高い声で、なおかつ雑音を好む…という特性』『youtubeにより聴覚データと視覚データの法則が丸裸にされる~声はその人の履歴書~』など上質な気付きを得ることが出来た。2019/02/10
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- 和書
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