NHK出版新書
現代世界の十大小説

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  • サイズ 新書判/ページ数 282p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140884508
  • NDC分類 902.3
  • Cコード C0290

内容説明

私たちが住む世界が抱える問題とは何か?その病巣はどこにあるのか?そして未来はどこへ向かうのか?これらの疑問に対して、いま小説は、どう答えられるのか―。モームの名エッセイ『世界の十大小説』刊行から六十年、池澤夏樹が新たな「世界文学」を擁して激動の現代世界を問い直す。

目次

世界文学を再定義する
第1部 「民話」という手法(マジックなリアリズム―ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』;「真実」だけの記録―アゴタ・クリストフ『悪童日記』)
第2部 「枠」から作り直す(恋と異文化―ミルチャ・エリアーデ『マイトレイ』;名作を裏返す―ジーン・リース『サルガッソーの広い海』 ほか)
第3部 「アメリカ」を相対化する(国境の南―カルロス・フエンテス『老いぼれグリンゴ』;アフリカに重なるアメリカ―ジョン・アップダイク『クーデタ』 ほか)
第4部 「体験」を産み直す(消しえない戦争の記憶―バオ・ニン『戦争の悲しみ』;闇と光の海―石牟礼道子『苦海浄土』)

著者等紹介

池澤夏樹[イケザワナツキ]
1945年、北海道生まれ。作家・詩人。埼玉大学理工学部中退。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

43
なかなか過激なチョイスで「十大小説」を紐解いてみせる。個人的に既読だったのは『苦海浄土』のみ。これは是非とも池澤夏樹が編んだ『世界文学全集』に挑まなければと思ったところ。こちらを読書に誘うエッセイかと考えると苦しいところもあるけれど、兎も角も最重要な作品を紹介していることは疑い得ない。私はバオ・ニン『戦争の悲しみ』を読んでみたくなった。文学の力というものを池澤夏樹が今なお(今であっても)信じていること、そのストイックな姿勢には非肉抜きで頭が下がる。不良の読者として、その姿勢を見習いたい。マルケスも読まねば2019/01/18

ころこ

28
忘れられた教養の復権を目指しつつ、世界文学全集を再定義するという序章の文章には力が入っています。フォークナーをフランス人が再発見した例をあげ、従来の教養主義者たちが原文で読むことに意味を見出していたのに対し、むしろ翻訳を経ることで新しい意味が生じることがあるという文学の読みかえに言及しています。最も惹かれたのは『サルガッソーの広い海』でしょうか。『ジェイン・エア』に反発する意識、ポストコロニアリズムやクレオールに対する関心、著名でない作品と新たな文学的視点を発見する喜びが込められているように感じました。2018/09/05

春ドーナツ

19
モーム著「世界の十大小説」のラインナップを足掛け10年かけて読んだ記憶は未だに生々しく、「十大小説」という文言にピキンと反応して本書を手に取る。モーム版は作家論だったと思うけれど、池澤版は書評。丁寧に勘所をおさえた文章なので(その上、親切)、実際に私自身が読まなくても満足してしまう部分がある(のは、私が夏バテで小説に打ち込む気力がないからかも知れない)。天邪鬼なので、サブテキスト・註釈で紹介された小説が気になったりする。「パルムの僧院」「裸者と死者」など。ちなみに読了本は二冊「百年の孤独」と「悪童日記」。2019/08/11

ステビア

14
いろいろ読みたくなったよ。特に気になったのは『戦争の悲しみ』。著者編集の世界文学全集ほしいなぁ。10万円弱。2015/04/17

世話役

11
こういう賢い本は時間を空けながら読むと内容に置いていかれてしまい、感想や評価を記しづらい。良い本でした(←小学生並みの感想)2015/06/07

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