内容説明
植民地という原罪、中央の論理で容赦なく切り捨てられる坑夫たち、消費され踏みにじられる女性―一枚岩とされた戦後日本に走る数々の断層に鋭く注目し、それらを克服しようとしなやかな思索を重ねてきた森崎和江。末端労働者や女性たちの苦脳、谷川雁や埴谷雄高など戦後知識人の素顔を、孫世代の論客が聞き出していく。格差社会の今日、なおも存在する断層に苦しむ人たちに向けた、異色の日本・日本人論。
目次
第1章 「前と後ろからピストルでねらわれている」―植民地という原罪(安部磯雄の影響;「朝鮮人を尊敬しなければダメだ」 ほか)
第2章 「私には顔がなかった」―「日本」への違和(学徒動員から終戦へ;「日本でどう生きていこうか」 ほか)
第3章 「無名にかえりたい」―サークル村から闘争へ(石炭って何だろう?;「弟の仇を討とう」 ほか)
第4章 「侵略と連帯は紙一重」―朝鮮との再会(『第二の性』と『第三の性』;朝鮮半島との再会 ほか)
第5章 「ほんとうの日本に出会わなきゃ」―土着、辺境、いのち(露天商の後を追いかけて;排泄とエロス ほか)
著者等紹介
森崎和江[モリサキカズエ]
1927年、現韓国・大邱市生まれ。詩人・作家。福岡県立女子専門学校卒業
中島岳志[ナカジマタケシ]
1975年生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。専攻は近代政治思想史、南アジア地域研究。北海道大学公共政策大学院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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