生活人新書<br> ミドルクラスを問いなおす―格差社会の盲点

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生活人新書
ミドルクラスを問いなおす―格差社会の盲点

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  • サイズ 新書判/ページ数 252p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140883266
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C0236

内容説明

「成果」「能力」というあいまいな指標に踊らされ、消費や持家獲得に汲々とするミドルクラス=中流層。彼らは本当に「勝ち組」なのか?戦後の総中流社会の誕生にまで遡り、ミドルクラスの精神が様々な矛盾を一貫して生み出していることを明らかにする。現在の困難を克服するための思想的課題をグローバルな視野で考察し、「格差社会」イメージに再考を促す社会学の最新成果。

目次

格差社会の盲点
1 競争社会の孤独―ミドルクラスの履歴書(裏切りの裏切り―ネオリベラリズム再考;「能力」って何だ?―ミドルクラスという不安;やつらを追っ払え!―ミドルクラスの居場所)
2 ミドルクラス社会からコモンズへ(「資本の闇」をかき乱せ!―ノワール映画のアンチ・ヒーローたち;まずはショックを与えよ!―災害資本主義とは何か;コモンズを取り戻せ!―ミドルクラス社会からの離脱)

著者等紹介

渋谷望[シブヤノゾム]
1966年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得退学。専門は現代文化の社会学。早稲田大学人間総合研究センター助手を経て、千葉大学文学部准教授。VOL Collective参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

24
「ミドルクラス」は一般化できるのか、思考、思想はその人のものであり、各々で異なるのではないかという引っ掛かりがあり、素直に読めなかった。私に一定のバイアスがかかっているのだろうと思う。2014/05/27

ゆう。

17
著者は、ネオリベラリズム(新自由主義)改革は日本ではなし崩し的に進んだと指摘します。そして、「総中流社会」は本当に豊かなのかの疑問を投げかけます。日本において労働力を資本に売り、労働を行い生活を営んでいる階級はプロレタリアートだと僕は認識していますが、著者はホワイトカラーなどの人々をミドルクラスと階級として捉えています。それが正しい捉え方なのかどうかはおいておいて、ミドルクラスは個人単位の上昇志向によって資本に対抗しよとする人々です。ネオリベはそこを没落させます。ネオリベ批判の書として面白かったです。2014/11/30

Mealla0v0

4
ミドルクラスの系譜学。ミドルクラスは、労働者階級を裏切り資本と手を組んだことで成立した。したがって、今更労働者の団結など夢見るべくもない。ミドルクラスは個人で社会的上昇を志向するが、そうした競争的な関係が日本的経営の土壌であったために、日本ではネオリベがなし崩しに導入されたのであった。ミドルクラスは、ローンによって将来を資本に人質に取られており抵抗は望めない。引き換えに得た上昇は、しかしネオリベ的格差社会で不安定化し、そこでの生き残りを倫理的に正当化できない。最後にこうした資本の支配にコモンズを対置する。2021/05/15

りょう

2
参考文献の数が半端ない。この本を軸に色々学べそう。2013/03/08

katze

1
筆者の意見に賛同できないところがいくつかありました。もっと切りつめて考えてほしかった。2012/11/17

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