内容説明
学校を卒業した大人こそが、勉強としてではない“現代文”を学び直す必要がある―麻布中学・高校の現役国語科教諭が、抜粋・要約・論述の3ステップのノート作りを通して、本をより主体的に読み込み、それによって自らの「生きる力」とする方法を伝授する。読解力を試すためのオリジナルの練習問題、ブックガイド付き。
目次
序章 今だからこそ、“現代文”
第1章 中島流「読解ノート」のつけ方
第2章 近代小説を読解する―『こころ』(夏目漱石)
第3章 現代小説を読解する―『ノルウェイの森』(村上春樹)
第4章 読解のコツと楽しみ
第5章 評論文を読解する―『ことばと国家』(田中克彦)
第6章 読解練習問題を解いてみる
終章 より深い「読み」へ―豊かな「交わり」に向けて
著者等紹介
中島克治[ナカジマカツジ]
私立麻布学園中学・高校国語科教諭。1962年、東京都葛飾区生まれ。麻布学園中学・高校を経て、東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程に進んだ後、母校の教諭となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nagata
4
麻布中高の先生が書いた本。確かに、読み飛ばしてよし、と満足するのでなく、書かれた言葉、湧いてくる言葉と格闘しながら読む、というのは、中身が血となり肉となる。しかし、今それに値するだけの本があるかどうか。漱石はそれに値するだけの価値はあると思うが、今度は自身の読解力が追いつくか、というより深刻な問題。せめて、読了とまではいかなくとも、メモ書き程度と思って、この感想を書く。2021/09/20
tetuneco
4
本と向き合う。人と向き合う。自分と向き合う。2010/08/26
a6
2
p.5 私たちが本当に満たされるのは、自分がどのような人間なのかをつかんだ瞬間、そして、自分の心と他の人の心とが通い合った瞬間です。これが基本です。/▽本を精読し抜粋・要約・論述していくノートの書き方を紹介。抜粋するステップでのゾーニングが印象的だった。2021/02/17
なつを
2
ただ本を読むだけでは意味がなく、内容を咀嚼してこそ意味があるのだと再確認させられる本。紹介されているようなノートの付け方は、納得はできるが書き上げるのは容易ではない。けれども、月に一冊でも、たとえ論述する時間はとれなくとも、要約する癖をつけようとする姿勢は必要な気がした。また、文豪と呼ばれる人たちが書いた本を読みたくなったので、挑戦してみようと思う。2014/01/08
ねええちゃんvol.2
2
★★★★ 麻布の授業を受けている気分が味わえた。要約:自分は一回以上作品を読んでいるが、この要約を読む人はまだ作品を読んでいないと想定する。感想文:あくまでその本をよんで感じたこと。論述:登場人物の行動や心理に迫りながら、作家や作品のバックボーン、時代背景などの知識を得た上で、客観性を持ちながら書く。批評:同じようなテーマの他の作品などを視野にいれあるひとつの大きなジャンル自体について考察する。現代文をやりなおしたい大人にオススメ。2012/05/03