内容説明
古来、祭事と政事のふたつを兼ね行うのが「まつりごと」である。天皇の仕事もまた、憲法の規定する国事行為などの「公務」=政事と、宮中で執り行われる「祭祀」=祭事からなる。本書は、一般にあまり知られていない「祭祀」の部分に焦点を当て、国家・国民統合の象徴として存在する天皇の全体像に迫り、現代スメラミコトの「まつりごと」とは何かを明らかにする。
目次
序 現代の天皇は超ご多用
1 年始と毎旬・毎朝の拝礼
2 自然神などに祈る祭祀
3 祖先神などに祈る祭祀
4 憲法の定める国事行為
5 象徴としての公的行為
著者等紹介
所功[トコロイサオ]
昭和16年(1941)岐阜県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科修士課程卒業(国史学専攻)。皇學館大学助教授・文部省教科書調査官を経て同56年より京都産業大学教授(現在法学部)。法学博士(慶大・日本法制文化史)。藝林会・国書逸文研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
15
皇室の一年が新書一冊に余すことなく書かれていてよかった。自分も歌会始の句を出してみようかなと思った。 2011/02/24
Nobuchika Hotta
2
我々日本人は、10代も祖先を遡れば、皇室を祖とする先祖に遡ることが出来ると聞いたことがある。現代の日本人は天皇陛下を日本の象徴と憲法でも定めているが、この度の震災を通じての陛下の言動を通して、その思いを深くした方も多いのではないか。天皇陛下のお忙しいお仕事のなかで最も中心にあるものは「祈りと継承」である。戦後の日本人は特に神や祖先や自然に対する感謝、そして世の中全体の安寧を願う気持ちを忘れている、と改めて感じた。皇居への勤労奉仕に行かねばならない、との気持ちを強くしました。2011/08/17
ジュリ
1
朝早くや夜遅くまで続く行事があったり、大使をもてなしたり、年間数々の行事を行っていて、大変なんだなといことを知りました。天皇のお言葉は推敲に推敲を重ねているんだろうし、苦労の多い仕事だと思います。2015/02/03
Hisashi Nakadani
1
「天皇陛下って私達国民のためにあれこれしてる人らしいね?でも具体的には何をしてるんだろう?」…という素朴な疑問を持った若い人達に読んでいただきたい「皇室入門」的な一冊。 祭祀をはじめ憲法に定められた国事行為、日本各地への行幸等々について、皇室研究の専門家である著者によって丁寧にまとめられているほか、宮内庁や皇宮警察等の皇室を御守りする立場にある組織についての記事も載せられているので、これを一読すれば、天皇や皇室の役割が概ね理解できると思う。2012/03/30
まさむね
1
天皇陛下は、やっぱり忙しい。2009/07/06