内容説明
パチンコ、パチスロ、競馬、競輪、マージャン、ポーカー、バカラ。サラリーマンや主婦、学生にとって日常生活に刺激を与えてくれるギャンブルも度を越せば「依存症」という病に落ちる。仕事からの逃避、多額の借金、度重なるウソ、家庭の崩壊、そして人生の転落。いつでも引き返せるという依存症者の心理の奥を探り、患者と家族で心身の回復を図る具体的治療法を紹介する渾身の問題作。
目次
第１章 あなたは家族を賭けている
第２章 ギャンブルが病気となるとき―ギャンブル依存症の診断
第３章 私は、なぜはまったか―依存症になりやすい心の状態
第４章 一度なると引き返せない依存症―脳の問題か、社会の問題か
第５章 どんな人が依存症になるのか―他の精神疾患とギャンブル依存症との関わり
第６章 プロセスにはまる人びと―現代社会の「買い物依存症」「恋愛依存症」
第７章 まき込まれた家族の病―イネイブリング、共依存、アダルトチルドレン問題
第８章 ギャンブル依存症の治療
第９章 自助グループがあなたを救う―ギャンブラーズ・アノニマスについて
第１０章 ギャンブルはやめられるか―「グループ」という治療薬
第１１章 ギャンブル依存症Ｑ＆Ａ―こんなところがわからない
第１２章 あなたが、今すぐにすべきこと―本人と家庭への行動指針
著者等紹介
田辺等［タナベヒトシ］
北海道立精神保健福祉センター指導部長。精神科医。１９５１年生まれ。７７年北海道大学医学部卒業。アルコール、薬物、ギャンブルなど、嗜癖問題の相談と治療に取り組む
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
48
蜜月期には、憂鬱を吹き飛ばし達成感と活気を与えるレジャー→借金を作る→ギャンブルで借金を返済しようとする→ｷﾞｬﾝブルで借金を返してしようとする→びゅお的な状態（本人の医師では止められない状態（依存症）。依存症は強い意志などでは直らない病である。時間、お金、家族への見方の変化も、人生の意味の発見（再発見）人間関係の再生が体験されていること。生き方を変えることが全てである。2015/07/01
GAKU
31
自己肯定感がゆらぐと人は依存対象を求める、と著者は述べている。依存症はどこまでが「嗜好」でどこからが「病気」かを見極めるのが難しいとも。ギャンブルには全く興味の無い私としてはあくまで第三者目線で読んだが、依存症の本人達は勿論、家族も悲惨な状況に陥る現実は恐い。ギャンブルに限らず、買い物、恋愛、アルコール依存症も病理として、本質は同じとの事。人は弱い生き物なんだと改めて実感。自分も注意しなければ。その点、読書依存は特に問題ない症例なんですかね？ 2015/11/12
mari
22
この本には精神科医の森山成彬先生のデーターや言葉などが随所に紹介せれているのですが、それがあの帚木蓬生さんだとは！それにまず驚いた。その森山先生のお言葉で『タクアンは二度と大根には戻らない』一度依存症に罹患したら『一生の病気、一生の治療』になるということ。ギャンブルだけではなくお酒などもそうですね。これを一般人も認識しておくべき。2015/10/28
ニックス
17
内容が分かりやすかった。出版年が平成１４年だったので、少々古い内容かと思ったが、そんなことはなかった。パチンコ産業は今に至るまで借金人を増やし続けている。どの駅前にもあるパチンコ店。韓国はパチンコ屋を禁止しており、ギャンブルも島に閉じ込めている。この点については韓国を見習うべき。公営ギャンブル含め、ギャンブルが街中で大手を振るえる時代をなくしてほしい。今の政治家では無理そうですが。星４2023/08/16
あかり
16
近年はゲーム依存症を危ぶむ傾向にあるが、ギャンブルも自力で脱却できるものではないと再確認した。自己実現できずにコンプレックスを抱えている人ほどビギナーズラックを味わった快感が忘れられなくなるという。それも一種の脳内麻薬にちがいない。覚せい剤でなくても依存症というものは怖い。2020/03/08
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