内容説明
ふるさとの懐かしい味には、日本人の味覚のルーツがある。その源流を探るため、九年間に全国六五か所を巡り、村の古老たちから貴重な体験談を聞き出して記録した食の歴史探訪。太古の昔から伝わる保存の技や先祖代々の料理法に、いつしか忘れていた暮らしの知恵を再発見するはずである。
目次
第1章 古代の味(越後 ひしの実(新潟県)
諏訪 薬食い(長野県) ほか)
第2章 海を渡ってきたグルメ(遠州 浜名納豆(静岡県) ほか)
第3章 保存の知恵が生んだ味覚(房州 くさりずし(千葉県)
薩摩 あくまき(鹿児島県) ほか)
第4章 あこがれの味「甘み」(阿波・讃岐 和三盆糖(徳島・香川県)
陸中・鹿角 けいらん(秋田県) ほか)
第5章 暮らしが生んだ味(豊後・姫島 いもきり(大分県)
南部 おつこ(岩手県) ほか)
著者等紹介
吉川誠次[ヨシカワセイジ]
食文化研究家。1922年、長野県生まれ。東京大学農学部卒業。45年より、農林水産省食品総合研究所にて栄養分析を担当。83から92年まで、共立女子大学講師を務める
大堀恭良[オオホリヤスヨシ]
1934年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。59年NHK入局。主に教養、科学関係の番組を制作。91年よりNHKテキスト『男の食彩』にて「食の歴史散歩」などの企画・取材を担当
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
niz001
5
俗に伝統食と呼ばれるものを中心に幅広く考察。2016/03/31
橋本 千春
3
「食」を通じて時間や空間を超えた旅をしている気分になれた。日本食と一括りには出来ない多様な食文化が広がっていて、しかも海外からもたらされたものもたくさんあって、面白いなぁ〜と。続編もあるようなので読んでみたい。2012/08/28
かりんとー
2
こんな豊かな食文化があったとは!だんだん失われていく文化。今食べよう。2015/03/12
高橋直也
1
ほんのちょっと昔の日本は飢饉や貧しさの中で豊かな食生活を作っていたんだと感慨深い本でした。特に肉食の話は説得力がありました。現代日本の食に対する考え方は違う方向に行きそうなところだけれど、こういう本で改めて「食は命につながる」ことを認識したい。2012/12/31
ヒコ。
1
日本各地に残る素朴な食の紹介。茶は昔、携帯食料だった(碁石茶の項)2011/06/17