内容説明
一切の執着を捨てた“捨聖”として遊行を重ね、衆生済度を願う時宗の祖・一遍。伊予の河野水軍の家に生まれ、源平の戦いに明け暮れた鎌倉時代末期、元の襲来に怯える不安な世相のなかで、人びとを様々な苦から救うのは、ただ「南無阿弥陀仏」と弥陀の名号を称えることにあると説く。常住不在・仏一路に生きた一遍の語録を読み解き、遊行の旅を辿る。
目次
一遍上人の生涯と法語
善光寺参詣と十一不二頌
山岳修行、名刹巡礼と熊野本宮の神託
九州遊行と信州のおどり念仏
とぎ澄ます浄土法門
捨聖の掟
一遍さんの和讃と和歌
「百利口語」と捨聖の法語
消息法語
名号と心
名号が名号を聞き、念仏が念仏を申す
一遍さんの往生
著者等紹介
梅谷繁樹[ウメタニシゲキ]
1941年京都市に生まれる。63年、神戸大学文学部国文学科卒業。園田学園女子大学教授を経て、時宗西市屋道場西蓮寺住職、時宗教学研究所員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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