内容説明
唐をはじめ各王朝の繁栄を支え、現在も中国の社会生活に根深く残る道教について、日本では語られることが少ない。本書では、民間信仰としての成り立ちから国家宗教となり、再び民衆生活と一体になっていく、その変遷を追いながら、知られざる日本文化との繋がりについても解明していく。
目次
第1部 道教とはどういう思想か(道教思想の起こり;道教教団の設立と葛洪の登場;国家宗教としての道教へ)
第2部 道教国家の成立(道教帝国への序曲―太宗李世民;武周革命と則天文字―則天武后;帝国の隆盛と混迷―玄宗皇帝;「長恨歌」『源氏物語』に生きる伝説―楊貴妃;道教尊崇と仏教排斥―武宗;分裂期に現われた傑出した道士―杜光庭;新道教の展開;現代中国の道教)
第3部 道教と日本(「記・紀」『万葉集』にみる道教の痕跡;遣唐使と道教繁栄の時代;その後の道教と現代日本)
著者等紹介
今枝二郎[イマエダジロウ]
1930年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。文学博士。唐代道教・日中文化交渉専攻。岐阜聖徳学園大学教授、学習院大学講師を務める。現在は、川崎大師弘道文庫副文庫長、(財)斯分会理事、国際儒学聯合会理事、(社)温故学会顧問、NHK文化センター講師、サンシャインシティ文化センター講師
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感想・レビュー
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moonanddai
5
(どこまでが史実かどうかは別にして)仏教が日本に伝来した際に起こった物部氏と蘇我氏の確執みたいなものが、やはり中国でも繰り広げられていたのですね。やはり「不老不死」信仰みたいなものは多くの人の望むところなのでしょう。そうは言っても儒・仏・老のそれぞれの間で様々な振幅はあったにしても、それらを調和する内容へ進むようです。ただ、個人的にはこれらの流れを咀嚼するのにもう少し時間をかけたいと思います。2018/05/30
つやつやはくまい
0
道教の歴史と日本への影響を解説する本。中国史の分量が多く、どういう仙人がいたとかこういう祭祀があるとか具体的な事物を知るのには不向き。儒教、仏教、道教の調和をとろうとしていたのは日本の神仏習合に近いなと思った。宗教混交ってアジア的な感性なのだろうか?神仙思想について知りたかったのだが、三教の扱いを見るに他の二教についても知っておく必要がありそう。2020/12/22