NHKライブラリー
奇想の20世紀

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  • サイズ A6判/ページ数 317p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784140841792
  • NDC分類 209.7
  • Cコード C1322

内容説明

未来を空想する力を人類は失いつつあるのではないか。しかしわずか一〇〇年前には「未来予測」は凄まじいブームであった。産業、経済、政治、消費、娯楽など、あらゆる分野で未来が予測され、次々に現実となった。その大予告編とも言うべきスペクタクルが万国博覧会であり、一九〇〇年パリ博は、二十世紀最大のファンタジーであった。十九世紀が夢見た二十世紀という「未来」を振り返り、二十一世紀の我々の「夢」を展望する。

目次

二十世紀という名の「未来」―キーワード「進歩」
予想できない未来の出現―キーワード「破滅」
産業立国の夢―キーワード「万国博覧会」
商業の祝祭空間―キーワード「エンターテインメント」
工業製品と人体の見本市―キーワード「スポーツと競争」
「机上の空論」は未来を動かす―キーワード「発明と特許」
ロコモーティヴの啓示―キーワード「人工速度」
世界旅行のような日常―キーワード「観光」
驚異の砂上楼閣 アメリカのスカイスクレーパー―キーワード「集中」
リリエンタールの翼とライト兄弟の自転車―キーワード「開発の原理とこだわり」〔ほか〕

著者等紹介

荒俣宏[アラマタヒロシ]
1947年東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒業後、コンピューター・プログラマーとして漁業会社勤務のかたわら紀田順一郎氏らと雑誌「幻想と怪奇」を発刊、翻訳活動も行う。79年に退社後、幻想文学、神秘学、博物学、図像学などに幅広い執筆活動を続ける。87年長編小説『帝都物語』で第8回日本SF大賞、89年『世界大博物学図鑑第2巻・魚類』でサントリー学芸賞を受賞。現在、日本文芸家協会、日本SF作家クラブ、路上観察学会、世界妖怪協会会員。日本大学芸術学部研究所教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遊々亭おさる

14
19世紀末から20世紀初頭の世界は明るい未来を予測し、無邪気に夢に向かって邁進できた時代であったという。「明日は今日より素晴らしい」を実現すべく、産業・経済・娯楽などありとあらゆる分野で輝かしい未来へ向けて驀進し、それを実現していった歴史が語られる。翻って21世紀を生きる我々は未来を予測し明るい明日を希求する力を持ち得るのだろうか、というのが著者の問いかけ。何だか昭和30年代と現代の日本人の比較みたいで世界は大きいようで小さいな。人間は万能ではないという事実を知った現代人が語るべき未来とはなんだろうか。2016/02/06

tei

1
ちまちまと1ヶ月ほど掛けて読了。荒俣さんだからこその多角的視点から、万博を中心にした文化の遷移について、未来を夢想した人々に関連した興味深い史実の紹介を交えながら考察する一冊。元がNHK講座のテイストということもあり、各章がよくまとまっていて読みやすい。何がその時代に生きる人々を突き動かしたのか、考えるきっかけになる気がする。参考文献も膨大なので、いつか当たりたい。2019/07/22

小林ミノリ

0
20世紀の初め未来予測がブームであった、ロンドン、パリの万国博覧会にて提示されたその当時の最先端の技術や文化から予測する21世紀の在り様、当たっているものも外れているものもあり、歴史の偏光レンズを通して幻視する奇想の過去、幻の未来。

teajay

0
荒唐無稽な願望と科学する理性の併存が二十世紀を形作ったという視点が面白い。博物学マニア荒俣さんならではの豊富な事例が楽しい。

momen

0
1900年前後の様々な技術革新や、それを享受するようになった人々の移り変わりを解説した本。今までになかった技術やエンタメが次々生まれ、そして伝統を打ち壊す人のエネルギーも高まっていく。乗り物・万博・建築・芸術・食事などジャンルごとの解説が簡潔にまとまっていて読みやすい。当時の様子を描いた絵や写真などの図版も多数。20世紀は未来予測を科学的に行え、また未来に対しての希望があったという記述が印象深い。

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