内容説明
夜明け、空の高さ、季節の移ろい、人との出会い…。光を失った少女が鳥に出会い、そのさえずりによって「うわさで聞いた未知のもの」である「空」の存在を体感する。いつしか感性の世界は飛躍的に広がり、大自然の景観、地球の自転までをも感じるようになっていく…。読む人の五感をゆさぶるヒーリングエッセイ。
目次
神様の箸休め(スズメの出勤;天女の化身サンコウチョウ;鳥の目、鳥の気持ち;感性の夜明け ほか)
ポワン・ポワン(水の景色;墨とすみと炭;嫌いな手触り;花の愛で方 ほか)
著者等紹介
三宮麻由子[サンノミヤマユコ]
1966年、東京生まれ。上智大学文学部フランス文学科卒業後、同大学大学院博士前期課程修了。外資系通信社勤務。エッセイスト。著書『鳥が教えてくれた空』(NHK出版)で、第2回NHK学園「自分史文学賞」大賞受賞。『そっと耳を澄ませば』(NHK出版)で、第49回日本エッセイスト・クラブ賞受賞
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感想・レビュー
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Gotoran
6
著者は不幸にも四歳の時に失明された方。頑張り屋、努力家であったが、心の奥で「目が見えないという現実」のために、パンドラの箱を隠した「開かずの間」が・・。野鳥と接することで、その間が開き、世界も行動範囲も広がってゆく。全盲というハンディキャップを物ともせず、感性豊かに、好奇心旺盛で、且つ積極的な在り方・生き方に感銘を受けた。文中、本当に目が見えないのかと疑ってしまうような明晰でしなやかな文章表現描写力に驚嘆。他著書も。(一度で良いから「サンコウチョウ」を見たいと著者は言う。切ない。見せてあげたい。)2012/03/20
桜父
2
著者は中途障害者。私の周りには、中途障害者の知り合いが多々いる。往々にして皆さんとても明るくて、大変励まされる。著者も留学、自然観察、俳句と精力的に取り組んでいて、元気をもらった。2014/12/15
ハイサイ
1
再読2011/06/01