NHK「100分de名著」ブックス ボーヴォワール 老い - 超高齢社会という「恵み」

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NHK「100分de名著」ブックス ボーヴォワール 老い - 超高齢社会という「恵み」

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  • サイズ 46判
  • 商品コード 9784140820124
  • Cコード C0010

出版社内容情報

様々な角度から老いの現実を暴き出し、高齢化社会の諸問題を先取りした先駆的大著!

誰にでも必ず訪れる「老い」。これまで人間社会の多くは「老い」を否定的に扱い、忌避してきた。そんな「老いの実態」を歴史や社会、文学や芸術といった分野から容赦なく暴き出し、「個人の問題ではなく、社会の側の問題」(=文明のスキャンダル)として「老い」を捉え直した画期的な作品を、「ボーヴォワールから出された宿題」と感じてきた社会学者が辛辣かつ平易に解説。弱者が弱者として尊重される超高齢社会の到来を「恵み」と捉え、その在りようと行く末を考えるのは読者自身なのだと説く。「違いを認め合う社会」創出のための必読書。

【以下、本書「おわりに」から抜粋】
古典は何度でも読みかえす価値があるし、読みかえすたびに新たな発見がある。そして書物には出逢い時というものがある。若いときにはわからなかったことがわかるようになる。古典は読み継がれることで、その先へと読み手を導いてくれる。ボーヴォワールの『老い』はわたしにとってそんな本だった。
書物を閉じたところから、わたし自身の問いが始まる。わたしはボーヴォワールから勝手に「宿題」を受け取り、それに答えようとした。その答えの可否を、もはやこの世の人ではない彼女に問いかけることはできない。だが、執筆の間中、わたしは彼女と対話していた。書物を読むとはそういう自分ではない者との対話の経験だ。そしてしだいに、この問いに対してなら、彼女はきっとこう言うだろうという確信を深めるようになった。
彼女なら……きっと自分の老いの姿を公共の場から隠そうとはしないだろう。きっと安楽死の法制化に反対するだろう。死後の魂は信じないが、若者たちの未来は信じるだろう。「中絶の権利」を求めるデモの先頭に立って歩いたように、女性差別と闘いつづけるだろう。それと同じように、高齢者差別とも闘うだろう。現実の社会の恥部に目をそらさず、それを容赦なくあばきながら、人間に対する信頼を失わないだろう。
根拠はないが、きっとそうだよね、ボーヴォワールさん。
生前に会ったこともない彼女に、わたしは問いかける。古典を読み継ぐというのは、そういう対話を意味する。あなたにも経験してほしい。

はじめに  老いてなにが悪い!
第1章  老いは不意打ちである
第2章  老いに直面した人びと
第3章  老いと性
第4章  役に立たなきゃ生きてちゃいかんか!
ブックス特別章  超高齢社会は「恵み」である──ボーヴォワール『老い』を読む意味
読書案内
おわりに


【目次】

はじめに  老いてなにが悪い!

第1章  老いは不意打ちである
老いとは何か/当事者として書く/「ボーヴォワールって、もう老女(ばばあ)なのね!」/心は体に追いつかない/他者差別、自己差別/老いと自己否定のイメージ/男の老いと女の老い/女の老いには利点がある?/まずは現実を見よ

第2章  老いに直面した人びと
老いを比較する/「お若いですね」は本当に褒め言葉か?/作家の老い──六十過ぎて書くものは二番煎じ/学者の老い、芸術家の老い/政治家の老い──新しい時代の理解に失敗/日本の知識人の老い/英雄的な老いもある/ボーヴォワールが実践したリアリズム/老いと自己模倣

第3章  老いと性
性を問うことは人間を問うこと/近代になって否定された老人の性/「老いて枯れる」は虚像/高齢男性の性/生殖能力が男性性の担保に/高齢女性の性/肉体への嫌悪、世論の圧力/老人性愛文学の達成/高齢女性の性愛文学/ボーヴォワールの性愛生活/自由を手放さなかったからこそ書けた

第4章  役に立たなきゃ生きてちゃいかんか!
老いの処遇としての社会保障/「非人間的」な高齢者施設/認知症に対する先進的な理解/症状ではなく経験を書く/家族のなかの高齢者/「独り暮らしはもっとも悲惨」/高齢者が集まって暮らすことは本当に幸せか/高齢者観の転換/社会保障の現在─施設から在宅へ/死の自己決定と実存主義/老いという冒険

ブックス特別章  超高齢社会は「恵み」である──ボーヴォワール『老い』を読む意味
輝きを失わない古典/問いを引き継ぐ/認知症という「市場」/自己差別の苦しみ、障害者運動の成果/違っていても平等/あなたはどうしたいのか ─ボーヴォワールの宿題への答え

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