出版社内容情報
「世紀のロマンス小説」ではない?
20世紀のロマンス小説として知られる大長編『風と共に去りぬ』。しかし、原文を精緻に読むと、その本質が「恋愛」ではないことがわかるという。「ヒロインは二人いる」「実は戦争小説である」「ディストピア小説としても読める」「養護と扶養という視点で読むと面白い」――。翻訳を手がけた著者だからこそたどり着いた、実に多様な読み方を味わう。Eテレ「100分de名著」テキストに、特別章・ブックガイドなどを大幅加筆のうえ、書籍化。
内容説明
南北戦争前後のアメリカ南部を舞台に、大農園主の長女スカーレット・オハラの激動の半生を描く『風と共に去りぬ』は、長いあいだ「大恋愛小説」として読み継がれてきた。しかし、精緻に読み込むと、それが「誤解」であることに気づく。40か国で翻訳され、世界中の誰もが知る大長編小説の多様な読み解き方を案内する。
目次
第1章 一筋縄ではいかない物語
第2章 アメリカの光と影
第3章 運命に立ち向かう女
第4章 すれ違う愛
ブックス特別章 養護・扶養小説としての『風と共に去りぬ』―ケアラーと稼ぎ手の間で
読書案内 黒人文学の古典と現在
著者等紹介
鴻巣友季子[コウノスユキコ]
1963年東京都生まれ。翻訳家、文芸評論家。英米圏の同時代作家の紹介と並んで古典名作の新訳にも力を注ぐ。日本ペンクラブ女性作家委員、獄中作家・人権委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙@読書会10周年
54
鴻巣さんが翻訳をしてみてわかった「風と共に去りぬ」にまつわる誤解について解説しています。原文を読んでもわからないマーガレット・ミッチェルの執筆方法などの情報も加味して解き明かしています。読んでいて謎であったレットの入隊理由も説明されていました。2024/11/04
もっこす
1
図書館本。映画も原作も見ていない分、読書ガイドとして読んだ。スカーレットとメラニーのダブルヒロイン説だったり、各登場人物の関係だったり興味深かった。原作もいつか読んでみよう。2025/03/04