出版社内容情報
ヒトは働かずにはいられない!
ヨーロッパ中心の労働史観に風穴を開ける、人類始まって以来の労働の世界史。
すべての時代において、常に家庭が仕事の基盤にあった。家事労働に始まる仕事の歴史は小さなコミュニティから大きなコミュニティへと社会的な労働へと発展した。私たちにとって仕事とは何か、仕事に見出す人生の意味、協力する喜び、そして公平性への希求は、狩猟採集時代から私たちのDNAに組み込まれている。
私たちが仕事から解放されるユートピアは、ほんとうに私たちを幸せにするのか? これからの働き方を考えるための必読書。
はじめに
序章
第1部 人間と仕事~70万年前から1万2000年前まで
第1章~第3章
第2部 農業と分業~紀元前1万年から紀元前5000年まで
第4章~第7章
第3部 新しい労働関係の出現~紀元前5000年から紀元前500年まで
第8章~第10章
第4部 市場に向けての仕事~紀元前500年から後1500年まで
第11章~第15章
第5部 労働関係のグローバル化~1500年から1800年まで
第16章~第17章
内容説明
人類史の大部分は狩猟採集時代である。「仕事」に見いだす価値基準はその時代に培われ、現代人のなかに根強く残っている。私たちは働くことに平等性を求め、他者と協力する喜びを得、自尊心を保っているのだ。上巻では、互酬関係の基盤を生んだ小集団生活時代から近代初期のアジア、西ヨーロッパ世界までを概観する。
目次
序章
第1部 人間と仕事―七〇万年前から一万二〇〇〇年前まで(動物と人間それぞれにとっての仕事;狩猟採集民の仕事;狩猟採集以外の活動)
第2部 農業と分業―紀元前一万年から前五〇〇〇年まで(新石器革命;農民の仕事;男女間の分業;世帯間の分業とそこから生じうる影響)
第3部 新しい労働関係の出現―紀元前五〇〇〇年から前五〇〇年まで(「複合」農業社会における労働―不平等の拡大;最初期の都市の労働―職業の分化と再分配;国家における労働―多様な労働関係)
第4部 市場に向けての仕事―紀元前五〇〇年から紀元後一五〇〇年まで(貨幣化と労働報酬―ユーラシア;労働市場と通貨と社会―紀元前五〇〇年から紀元後四〇〇年の中国、ギリシャ・ローマ、インド;市場の消滅と再出現―紀元後四〇〇年から一〇〇〇年のヨーロッパとインド;労働市場をもたない異例の国家の成立―アメリカ大陸;労働市場の復活―一〇〇〇年からのヨーロッパとインド)
第5部 労働関係のグローバル化―一五〇〇年から一八〇〇年まで(労働集約型発展経路―近代初期のアジア;労働集約型発展経路から資本集約型発展経路へ―近代初期の西ヨーロッパ)
著者等紹介
ルカセン,ヤン[ルカセン,ヤン] [Lucassen,Jan]
1947年生まれ。労働史を専門とする歴史学者。アムステルダム自由大学名誉教授。オランダの国際社会史研究所(IISH)の研究部長を長く務めたのち、現在は同研究所の名誉研究員
塩原通緒[シオバラミチオ]
翻訳家
桃井緑美子[モモイルミコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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