出版社内容情報
あなたに寄り添い、あなたを迎え入れる世界文学16選
悲しい時、苦しい時に手にした本が、まるで自分に向けて、自分のために書かれていると感じたことはないだろうか。本から聞こえてくるメッセージによって、私たちは自分が発していた心の声に初めて気づかされることがある。物語を読む行為には、そのような双方向のやりとりが存在し、私たちが本に没頭するとき、本は丸ごと私たちを受け入れ、「歓待」してくれていると著者は語る。NHKラジオテキスト『こころをよむ 歓待する文学』を大幅に加筆・修正し、新たに3章分を書き下ろした。
あなたを「歓待」してくれる、選りすぐりの作品は、ゼーバルト『移民たち』/イーユン・リー「千年の祈り」/アキール・シャルマ『ファミリー・ライフ』/小川洋子『ことり』/ハン・ガン『菜食主義者』/クッツェー『マイケル・K』/カズオ・イシグロ『浮世の画家』/多和田葉子『雪の練習生』/村上春樹『職業としての小説家』/マリー・ンディアイ『三人の逞しい女』/マリリン・ロビンソン『ハウスキーピング』/レイラ・スリマニ『ヌヌ 完璧なベビーシッター』/村田沙耶香『コンビニ人間』/瀬尾夏美『あわいゆくころ』など。
情報としての読書案内を超え、小野文学として昇華した一冊。
内容説明
あなたに寄り添い、あなたを迎え入れる世界文学16選。
目次
文学は歓待する
追憶の悲しみ―W・G・ゼーバルト『移民たち』
外国語で祈ることはできるのか―イーユン・リー「千年の祈り」
言葉はケアする―アキール・シャルマ『ファミリー・ライフ』
言葉の外に耳を澄ます―小川洋子『ことり』
絶対的な孤独としての一本の木―ハン・ガン『菜食主義者』
“こんなふうにしても人は生きていける”―J・M・クッツェー『マイケル・K』
信頼できる作家による信頼できない語り手―カズオ・イシグロ『浮世の画家』
文学は獣も人も自由にする―多和田葉子『雪の練習生』
翻訳は母語の可動域を広げる―村上春樹『職業としての小説家』
鳥たちはどこで翼を休めるのか―マリー・ンディアイ『三人の逞しい女』
故郷と異郷のあいだに架かる橋―マリリン・ロビンソン『ハウスキーピング』
悲しみと喜びをむすぶ
愛情と配慮の流れが淀むとき―レイラ・スリマニ『ヌヌ 完璧なベビーシッター』
「わたし」は「わたし」のものなのか?―村田沙耶香『コンビニ人間』
心の余白、風景の余白―瀬尾夏美『あわいゆくころ』
著者等紹介
小野正嗣[オノマサツグ]
1970年、大分県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。パリ第8大学文学博士。早稲田大学文化構想学部教授。「水に埋もれる墓」(2001)で朝日新人文学賞、『にぎやかな湾に背負われた船』(2002)で三島由紀夫賞、『九年前の祈り』(2014)で芥川賞を受賞。著書多数。2018年よりNHK「日曜美術館」のキャスターを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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(C17H26O4)
佐島楓
shikashika555
yyrn
アヴォカド
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