出版社内容情報
戦争の原因は排除できるのか?
戦争することが「人間の本性」であるとすれば、私たちはいかに平和を獲得しうるだろうか?『永遠平和のために』は、西洋近代最大の哲学者カントが著した平和論の古典。空虚な理想論にとどまることなく、現実的な課題として戦争の克服方法を考察した本作は、争いの火種が消えない現代にあらためて読まれるべき一冊だろう。
好評を博した番組テキストに大幅な加筆を加え、待望の書籍化!
内容説明
カント晩年の平和論は、全ヨーロッパが戦火に包まれ、革命によって近代民主主義国家の原型が作られた時代に書かれた。人間にとっての「自然状態」は戦争であり、平和は「新たに創出すべきもの」と考えたカントは、法の秩序を社会に行き渡らせることの価値を重んじる。西洋近代最大の哲学者は、私たちはいかにして平和を獲得できると説いたのか。不朽の名著を現代にひもとく。
目次
はじめに 哲学の視点から平和の可能性を考える
第1章 誤解されやすいカントと『永遠平和のために』(遅咲きの哲学者カント;カント教授の一日 ほか)
第2章 世界国家か、国家連合か(戦争が起こりにくくなるような社会の仕組み;共和的な体制とは何か ほか)
第3章 人間の悪こそ平和の条件である(議論の自由と秘密条項;自然こそが永遠平和を保証する ほか)
第4章 カントがめざしたもの(哲学的土台としての「付録」;道徳と政治の一致 ほか)
著者等紹介
萱野稔人[カヤノトシヒト]
1970年愛知県生まれ。津田塾大学総合政策学部教授・学部長。専門は政治哲学、社会理論。パリ第10大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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かず
那由田 忠