内容説明
太平洋戦争末期のニューギニア戦線から生還した著者が綴る鎮魂の追想記。兵士となった若者たちは、如何に生き、如何に死したのか。凄まじい事実、途轍もない風景が透徹した筆致で紡がれる。語り継がなくてはならない命の物語。
目次
序章 一九二〇年生まれの悲哀(「兵隊蟻」になる前の話;易断で予告された私の危険度 ほか)
第1章 二度目の応召―「兵隊蟻」ニューギニアへ(母の本音;決められていた軍医の診断 ほか)
第2章 魔の島ニューギニア(上陸の夜;我らは「兵隊蟻」 ほか)
第3章 望郷(現出した曽宮一念の「夕映え」;高砂少年兵 ほか)
第4章 生と死の狭間で(明石一等兵の右手首;闘う兵士たち ほか)
第5章 敗戦(敗戦ということ;誰か故郷を想わざる ほか)
終章 タナカの飯盒物語(タナカとの出会い;タナカが消えた日 ほか)
著者等紹介
三橋國民[ミツハシクニタミ]
造形美術家。社団法人日展参与、社団法人光風会名誉会員。大正9年(1920)、東京府南多摩郡町田町(現東京都町田市)生まれ。太平洋戦争が始まった昭和16年(1941)に最初の応召。昭和19年(1944)冬、二度目の応召で西部ニューギニア(現インドネシア共和国)へ出征。昭和21年(1946)、重傷を負いながらも生還。戦後、金工家の海野建夫氏(後に東京学芸大学名誉教授)に師事、工芸美術、彫金、鋳造、石造等を学ぶ。大阪府忠岡町「平和の鐘」、山陽新幹線福山駅壁画「燦」、三重県津市役所「鳥の詩」、東京都町田市「自由民権の像」、福井県永平寺「道元禅師稚髪像・梵鐘・開山堂」など多数のモニュメントを制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ちさと
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