兵隊蟻の五〇〇〇キロ―鎮魂 遙かなるニューギニア

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  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140816806
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

太平洋戦争末期のニューギニア戦線から生還した著者が綴る鎮魂の追想記。兵士となった若者たちは、如何に生き、如何に死したのか。凄まじい事実、途轍もない風景が透徹した筆致で紡がれる。語り継がなくてはならない命の物語。

目次

序章 一九二〇年生まれの悲哀(「兵隊蟻」になる前の話;易断で予告された私の危険度 ほか)
第1章 二度目の応召―「兵隊蟻」ニューギニアへ(母の本音;決められていた軍医の診断 ほか)
第2章 魔の島ニューギニア(上陸の夜;我らは「兵隊蟻」 ほか)
第3章 望郷(現出した曽宮一念の「夕映え」;高砂少年兵 ほか)
第4章 生と死の狭間で(明石一等兵の右手首;闘う兵士たち ほか)
第5章 敗戦(敗戦ということ;誰か故郷を想わざる ほか)
終章 タナカの飯盒物語(タナカとの出会い;タナカが消えた日 ほか)

著者等紹介

三橋國民[ミツハシクニタミ]
造形美術家。社団法人日展参与、社団法人光風会名誉会員。大正9年(1920)、東京府南多摩郡町田町(現東京都町田市)生まれ。太平洋戦争が始まった昭和16年(1941)に最初の応召。昭和19年(1944)冬、二度目の応召で西部ニューギニア(現インドネシア共和国)へ出征。昭和21年(1946)、重傷を負いながらも生還。戦後、金工家の海野建夫氏(後に東京学芸大学名誉教授)に師事、工芸美術、彫金、鋳造、石造等を学ぶ。大阪府忠岡町「平和の鐘」、山陽新幹線福山駅壁画「燦」、三重県津市役所「鳥の詩」、東京都町田市「自由民権の像」、福井県永平寺「道元禅師稚髪像・梵鐘・開山堂」など多数のモニュメントを制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ちさと

24
戦場とは、上官の判断と命令で兵士が命を落とす場所である。本書は最低の生存率と言われる1920年生に生まれ、二度目の召集で「ジャワは天国、ビルマは地獄、死んでも帰れぬニューギニア」のニューギニアに出征、地獄を生き抜き帰還した著者の追想記です。 時系列が前後して若干読みにくかったり、プロが書くような気の利いた表現や歴史背景の説明などほとんどないですが、「一兵隊蟻」視点から語られることで戦場での1日がいかに長く過酷なものかが伝わる1冊でした。 国民一人ひとりに、固有の性格と人格があったことも忘れてはいけない。2024/08/11

teitowoaruku

0
たった一人の中隊長の出世欲によって、もはや敗勢の決まった西部ニューギニアへ派遣されることになった高射砲部隊の一兵隊の記録。やはり太平洋戦争は、敵よりも無茶を言う味方のほうがよほど手強い戦争だったのだろうか。母のマスクや田中衛生伍長とのことについては、まさに運命としか思われない。2022/03/03

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