マッサンとリタ―ジャパニーズ・ウイスキーの誕生

チェックランド，オリーヴ【著】〈Ｃｈｅｃｋｌａｎｄ，Ｏｌｉｖｅ〉/和気 洋子【訳】

ＮＨＫ出版（2014/08発売）

• サイズ B6判／ページ数 237p／高さ 20cm
• 商品コード 9784140816561
• NDC分類 289.1
• Cコード C0098

内容説明

日本とスコッチはこうして出会った。本場スコットランドからウイスキーづくりの技術を持ち帰った男・竹鶴政孝。そして、かの地で運命的に出会い、彼を支え続けた妻・リタ。スコットランド蒸留所修業、猛反対された国際結婚、北の大地・余市での独立。戦時中、外国人妻としてのリタの奮闘…。夫妻の波乱の生涯を俯瞰。ＮＨＫ連続テレビ小説「マッサン」夫妻の足跡を、英国人研究者が丹念に辿るノンフィクション。

目次

ウイスキー修業時代（日本から来た青年；日本酒とイミテーション・ウイスキー　ほか）
寿屋勤務時代（本格ウイスキーへの夢―山崎；遙かなる異郷のリタ　ほか）
起業家時代（企業創立へ―余市ウイスキー蒸留所；夕日のリタ　ほか）
挑戦、そして成功（マッサンとリタの四〇年；竹鶴政孝、「命の水」ウスケボー）

著者等紹介

チェックランド，オリーヴ［チェックランド，オリーヴ］ ［Ｃｈｅｃｋｌａｎｄ，Ｏｌｉｖｅ］
１９２０‐２００４。１９４１年、バーミンガム大学地理学科卒業。翌年、経済史家シドニー・Ｇ・チェックランドと結婚。夫シドニーがリヴァプール、ケンブリッジ両大学で教鞭をとり、グラスゴー大学へ教授として移ったのを機に、自らの学究活動を本格化させた。シドニーの執筆活動も助け、共著も出版する。永年にわたり日英交流史に携わる

和気洋子［ワケヨウコ］
慶應義塾大学名誉教授。１９４７年生まれ。慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。専攻は国際経済学と地球環境問題。ロンドン大学ＬＳＥに訪問研究員として留学の経験（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[じゅき]

朝ドラが始まり、関連の本を読んでみたくて。。夫婦の生き方が素晴らしいと思う。これを踏まえてドラマの展開も楽しみです。

2014/11/24

[0717]

著者は英国人で既に故人。本書の日本での出版は1998年。2014年にNHK出版より増補、改訂されたもの。英国側の資料や当時を知る人の証言等も引用されており、また写真もふんだんで良。

2015/02/13

[ちょこ]

朝ドラマッサンが好きだったのでモデルとなった竹鶴夫妻の本を読んでみる。日本人が書いたものではなく翻訳本なのでなるほど、外から見ると日本はこういう風に見えるのだなという発見もあって中々に興味深い。戦前の話とはいえ、日本の結婚のあり方は馴染みやすいものではなかったんだなあとか、マッサンの独立にあたっての恩義がどうのとかもピンとはこない模様。なるほどなあ。リタが日本にやってきて日本人として生きようとしたのが本当に幸せだったのかは他人が簡単にジャッジすることではないとはいえ、難しいなあと改めて感じた。

2022/03/24

[Taka]

新年1冊目。マッサンが10年前。お酒をたいした飲まないのでウイスキーにも世界があることを知らなかった昨年。一人の若き青年が、ウイスキーの世界に飛び込み、遠い地で妻と出会い、ウイスキーの世界に悩み、40年を妻と過ごし、穏やかな20年と冬の20年があり、北海道の地でスコットランドとの文をやりとりし、彼には妻が逝った後のその後の人生があり。婚活中なのでマッサンとリタの関係に目がいく。完璧な人などいないと思っているけど長く過ごせる人とは自分とはどういうものなのだろう。人と過ごすことに答えを出したい2024年

2024/01/05

[雪風のねこ@(=´ω`=)]

近代日本と英の研究する著者によって纏められた書籍。マッサンこと政孝が日本純正ウィスキーを完成する行程を、一方、妻リタが国際結婚で揺れた心情を描いたドキュメンタリーです。さてバンクーバー朝日でも感じましたが、国民って何をもって判別するのでしょうね？血の濃さ。見た目。宗教的な誓約。条約…？巻末にリタが政孝に送った詩集の詩が収録されていますが、とても心打たれます。前述した複雑な問題すら超越しているような気がします。そうだ。この本は熟成されたウィスキーなのだ。開けば、芳醇な二人の人生を、読者に届けてくれるのだ。

2015/01/23