内容説明
花と、面白きと、めづらしきと、これ三つは同じ心なり―。室町時代、能の大成者として以後の日本の芸能に大きな影響を与えた世阿弥。彼の遺した言葉は、能役者のための演技論にとどまらず、芸術という市場、そして人生という舞台を勝ち抜くための戦略論でもあった。「秘すれば花」「初心忘るべからず」「離見の見」など代表的金言を読み解きながら、試練に打ち克ち、自己を更新しつづける生き方の奥義を学ぶ。
目次
第1章 珍しきが花(能はコーディネーションの芸術;世界初の演劇論 ほか)
第2章 初心忘るべからず(人生にはいくつもの「初心」がある;「老いの美学」の確立 ほか)
第3章 離見の見(「幽玄」とは何か;あらゆるものを幽玄に演じよ ほか)
第4章 秘すれば花(循環する勝負の波をつかめ;奥の一手を常に準備し続けよう ほか)
ブックス特別章 能を見に行く(写らないものが写る時;ワキ正面から見る ほか)
著者等紹介
土屋惠一郎[ツチヤケイイチロウ]
1946年、東京都生まれ。明治大学法学部教授。明治大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学。専攻は法哲学。中村雄二郎のもとでハンス・ケルゼン、ジェレミ・ベンサムなどの研究をするかたわら、能を中心とした演劇研究・上演の「橋の会」を立ち上げ、身体論とりわけ能楽・ダンスについての評論でも知られる。1990年『能―現在の芸術のために』(岩波現代文庫)で芸術選奨新人賞受賞。芸術選奨選考委員(古典芸能部門)、芸術祭審査委員(演劇部門)を歴任した。北京大学日本文化研究所顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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