内容説明
94歳で亡くなった本人の言葉と、やなせさんを慕った漫画家たちの声、そして遺された詩とイラストで紡ぐ、やなせたかし珠玉のメッセージ!
目次
第1章 アンパンマンのマーチ(人生は椅子取りゲーム;アンパンマン登場 ほか)
第2章 しあわせよカタツムリにのって(優しかった父;本や絵に囲まれて ほか)
第3章 てのひらを太陽に(再び銀座へ;漫画の世界から取り残されて ほか)
第4章 ノスタル爺さん(オイドル誕生;趣味はデパ地下めぐり ほか)
第5章 絶望のとなり
著者等紹介
やなせたかし[ヤナセタカシ]
1919年高知県出身。東京高等工芸学校(現・千葉大学工学部)卒。漫画家を目指しながらデザイナーとして仕事をはじめ、その後、舞台美術、作詞、放送作家など、さまざまな仕事をする。73年、絵本『あんぱんまん』を刊行。同年、雑誌「詩とメルヘン」の責任編集を担当。88年、アンパンマンのテレビアニメ化で人気が爆発し、今も子どもから大人まで絶大な支持を集める。2000年、日本漫画家協会理事長就任。08年、日本漫画家協会会長就任。13年10月13日に永眠。享年94(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
90
★★★★☆ご本人没後出版された一冊、半生と東東北の大震災に寄せて書かれています。ご本人の書かれた文章はもちろんですが、ちばてつや・西原理恵子・里中満智子・吉田戦車らが、寄稿しています。それが、なんとも泣けて泣けて仕方が無かった。故人を偲び寄せる筆に乗せた想いが、胸をつく一冊でした。故人がいかに大震災に心寄せていらしたか…2016/02/04
Ikutan
71
アンパンマン列車に乗る前に、やなせさんの思いを知りたくて。やなせさんの本は何冊か読んでいますが、今回も器の大きな素晴らしい人だったんだなぁと再確認しました。諦めず成し遂げる粘り強さ。サービス精神旺盛。正義に対するポリシー。筋の通った生き方。この本はやなせさん自身以外の言葉もあり、そこからやなせさんの豊かな人間性が伝わってきます。里中満智子さんやちばてつやさん、西原理恵子さんなどからの熱いメッセージは泣けますね。白黒なのがちょっと残念ですが、イラストもいっぱいの嬉しい一冊。表紙は東日本大震災の時のポスター。2017/02/10
きみたけ
58
著者は漫画家のやなせたかし先生。2013年10月永眠、享年94歳。2014年放送のNHKスペシャル「みんなの夢まもるため~やなせたかしアンパンマン人生」の取材内容を加え再構成した本。内容は2008年10月時点のものを使用してます。アンパンマンの誕生秘話、やなせたかし先生の生い立ち、「てのひらを太陽に」のエピソードなど。最後にNHK番組ディレクターからやなせ先生の東日本大震災「奇跡の一本松」に関する支援活動についての話がありとても感動しました。「この世から不幸をなくしたい」という先生の強い願いを感じました。2021/12/29
国士舘大学そっくりおじさん・寺
41
先日『やなせたかし展』を見てきたので、鉄は熱いうちにとばかりに借りてきた一冊。NHKの番組を元に構成された内容。やなせさんが人生を回顧する本はたくさんあるので、それらと同工異曲ではあるが、高齢の文化人にはよくある事である(例・山田風太郎、水木しげる)。展覧会で実物を見た絵がたくさん掲載されていて嬉しい。ただしモノクロなのが唯一残念である。ちばてつや・西原理恵子・里中満智子・吉田戦車のインタビューも面白い。西原さんのやなせ論を読むと、やっぱり典型的な土佐人なんだなぁと思わされる。読んでよかった。2014/09/03
niisun
26
一歳半の娘がいる我が家は、アンパンマンの絵本と縫いぐるみとCDで溢れています。朝は絵本を一緒に開きながら出勤の準備。夜はアンパンマンの主題歌を聴きながら夕食。まさに寝ても覚めてもという感じです。でも、日々、聴いていた主題歌がこの本を読むことで、心にグッと迫って来ました。正義の戦争に駆り出されて多くを失ったやなせさんが辿り着いた「正義のいい加減さ」。「悪人を倒すことよりも、弱い人を助け、パンを一切れわけてあげる方がはるかに正しい」という言葉に触れると、アンパンマンに託したやなせさんの強い想いが伝わりますね。2017/02/22