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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
83
夫人が語るバルテュスが垣間見れて面白い。⇒「冬には雪の反射でアトリエに美しく冷たい光が差し込みます。その光が、絵を描くには理想的だと申しておりました。」「彼にとって描くことは祈る事だったのです。」そして半分本気で、漫画『タンタン』シリーズの風景をマティスよりよく描いているとジャコメッティと話し合っていたこともあったそうなのは特に面白い!2014/06/22
アキ
45
大学生の頃に知ったバルテュスの世界。今は個人蔵で公開されることもないであろう「部屋」と「トランプ占い」を見た時の衝撃は今も忘れられない。謎に包まれていたスイスの仕事場「グラン・シャレ」の内部が、彼の死後なんと妻で日本人のド・ローラ節子によって公開されているではないか!友人のリルケから薦められた岡倉天心の「茶の本」からアーサー・ウエイリー「源氏物語」「雨月物語」など愛読していたバルテュスは1962年来日した際に20歳の日本女性を見初めてモデルを依頼し妻に娶る。自身を「猫の王」と名乗る程猫好きだったんですね。2019/04/20
まさむ♪ね
38
恥ずかしながら、最近までバルテュスという画家は知りませんでした。今回、大回顧展が開催ということで、ネットや雑誌でその作品を見てるうち、どんどん惹かれていきました。奥様が日本人の方、というのも距離を縮めました。本書はその奥様、節子さんがバルテュスを語ります。素敵な写真や図版も豊富。バルテュスの絵には猫がたくさん出てきます。なるほど、「猫の王」だったのね、バルテュスは、納得。バルテュス11歳のとき、愛猫ミツとの出会いと別れをテーマに40枚の絵を描きます。そこにリルケが序文をつけたという絵本『ミツ』読みたいな。2014/05/16
アリ子
32
ド・ローラ節子さんもバルテュスさんも猫も、彼らの生活もみんな絵になります。何と言ってもグラン・シャレが素敵。いつの日か行ってみたい。2014/11/04
gtn
30
偉大な絵画ほど普遍性を備えていなければならないのに、芸術家は個性ばかりを打ち出して、絵画を自己表現の手段にしたと憂えるバルテュス。妻節子も絵のモデル時、画家の視線を感じたことはなかったとのこと。日本滞在時に通訳の彼女を見初めたのも衝動的に見えるが、手放したら二度と得られない普遍性を感じたのかも。氏の描く女性は、妻を含め、どれも控えめな肉感で美しい。2020/06/13