内容説明
代謝をつかさどる細胞小器官の知られざる役割。
目次
第1章 ミトコンドリアの本当の姿(細胞の構造と生物の分類;中学の理科ではミトコンドリアを習わない ほか)
第2章 ミトコンドリアのはたらき(「エネルギーの火薬庫」ATP;エネルギーの6~7割は「基礎代謝」で使われる ほか)
第3章 ミトコンドリアと健康(「活性酸素」の原因;活性酸素の強すぎる酸化力は制御不能 ほか)
第4章 ミトコンドリアとともに生きる(「激しく」ではなく「ゆっくり」と「強く」;筋肉が増えればミトコンドリアも増える ほか)
著者等紹介
太田成男[オオタシゲオ]
1951年生まれ。日本ミトコンドリア学会理事長、日本医科大学教授。東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了。薬学博士。専門は分子細胞生物学、ミトコンドリア学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yamaneko*
61
身体を動かすエネルギー、ATPを作っているミトコンドリア。基礎代謝エネルギーの産出、修復のための体内活動などを知らないうちに担ってくれている。ミトコンドリアを増やすには、筋肉を増やすこと。空腹、寒さも刺激材料になるという。やっぱり運動しよう。2015/01/14
C-biscuit
10
図書館で借りる。先日読んだ本に細菌とウィルスにはミトコンドリアがないというのがあった。原核生物にはミトコンドリアがないということでこの本にも説明があった。そもそもミトコンドリアについて漠然とした理解しかなかったので、読んでみる。現在はミトコンドリア自体にもDNAがあることがわかっており、元は別の細胞であったことがそこからも理解できる。核とうまく共生しており、DNAの大半を核に移した進化が見られるとのこと。役割も多くエネルギーを作ったり、細胞の死をコントロールしている。ミトコンドリア・イヴはロマンを感じる。2021/01/29
Uzundk
10
おー動いてる(youtubeで確認)。ATP生産の過程で傷つきやすいからミトコンドリア同士で遺伝子を交換して修復しているのか。ミトコンドリアの重要性を語る本は幾つか読んだが、人間の体の中でどのように働いているのかを目に見せてくれるのが本書の良いところ。ミトコンドリアが正常に働くと言うことは細胞レベルで毒にも武器にもなる活性酸素を柔軟に取り扱える事 = 身体を正常に保ちやすいと言う事に繋がるのだな。体を正常に保つために適度な運動というのはここにも繋がるのですね。2016/07/10
Phycology
6
活性酸素の発生を抑えながら筋肉を増やすこと。するとミトコンドリアが増えて病気知らずの健康な身体に整えてくれるそうです。 ミトコンドリアの形態、ミトコンドリアが作り出すATPの機能について簡潔かつわかりやすく解説している本で、生物学の教科書に出てきたミトコンドリアのイメージをダイナミックに塗り替えてくれます。良書。2011/07/26
にゃみ
4
高校までで習ったミトコンドリアの常識を覆す、というよりも正す良書。読んでいてすごく知的に面白かった。痩せたい人とかにもオススメかな。結局のところ代謝のすべてはミトコンが握っているのだからね。また、活性酸素とかガンとか糖尿病とかにもミトコンが深くかかわっているから、健康マニアにも面白いんじゃないかな。 ところでミトコンドリアのことをミトコン(イントネーションは糸こんにゃくの糸コンと同じ)って略すのって常識ですよね。2011/09/02