内容説明
「暗黒舞踏」を創始し、三島由紀夫や澁澤龍彦らと交流、数多の表現者に影響を与え続けた男、土方巽。神格化されたその「からだ」と「生涯」に迫る。
目次
1 逸脱する身体―1928‐1959(秋田に生まれて―1928‐1944;モダンダンス(ノイエタンツ)1945‐1958 ほか)
2 叛乱する肉体―1960‐1969(初リサイタル―1960;アヴァンギャルド―1961 ほか)
3 いのちがけで突っ立っている死体―1970‐1977(三島の自決―1970;変化する潮流―1971 ほか)
4 絶後の身体―1978‐1986(陰の時間―1978‐1982;復活への思い―1983‐1984 ほか)
著者等紹介
稲田奈緒美[イナタナオミ]
舞踊評論・研究家。1962年、島根県松江市生まれ。幼少よりバレエをはじめ、様々なジャンルのダンスを学ぶ。早稲田大学第一文学部卒業後、銀行勤務、フリーライターを経て、早稲田大学大学院文学研究科修士課程、博士課程に進み、舞踊史、舞踊理論の研究を行う。在学中より舞踊評論を始め、現在は舞踊の理論と実践を結びつけた評論、研究に携わる。慶應義塾大学非常勤講師、早稲田大学演劇博物館客員研究員。文化庁芸術選奨推薦委員、芸術祭審査委員その他歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mstr_kk
8
600ページに及ばんとする土方巽の評伝。これは素晴らしい本ではないでしょうか。非常に読みやすく、面白い。土方のことだけでなく、当時の芸術家たちの人間関係・交友関係がよくわかります。戦後日本の芸術を知るためには必読の一冊かと。2018/10/29
たまきら
1
ニホンで何か一つの道を切り開く人は、シャーマンのようだ…といつも思う。舞踏は土方から始まり、土方で終わったと思う。あとはそこから学んだ人たちが、新たな世界観を切り開く。元藤さんがそもそも土方が白塗りを始めたきっかけは背中の傷を隠す必要があったからだと言っていた。今の舞踏では白塗りにはほかの意味合いがある。仏教やキリスト教の編纂を舞踏で見ているかのようだ。2014/12/03
midnightbluesky
1
戦後すぐに走り出した、感性の疾走2008/03/20