リサ・ランドール―異次元は存在する

ランドール，リサ〈Ｒａｎｄａｌｌ，Ｌｉｓａ〉/若田 光一【著】

ＮＨＫ出版（2007/05発売）

• サイズ A5判／ページ数 93p／高さ 21cm
• 商品コード 9784140812167
• NDC分類 421
• Cコード C0300

出版社内容情報

宇宙の謎を解くカギは「プレーン（膜）」にある！
「3次元世界は5次元世界にある膜のようなもの。私たちはその膜に貼りついている。」　今、世界的な注目を集める理論物理学者が語る、最先端宇宙論。

内容説明

２１世紀の人類が抱える課題について、日本の各界の第一人者が世界のキーパーソンに徹底インタビュー。未来を切りひらくヒントを探り、道しるべを提示します。

目次

１　わたしたちは異次元世界に囲まれている（５次元世界とは何か；わたしたちは「膜」に存在する；３次元世界を２次元世界から見る；高次元世界の存在を確信したとき；科学の二つのコミュニケーション）
２　万物の成り立ちを解き明かしたい（異次元ブームの到来；「解き明かす」ことの楽しさを共有したい；異次元の不思議に魅了された少女時代；「成功したければ質問しなさい」；「女性の科学者」というレッテル）
３　５次元世界と宇宙の謎（宇宙の謎を解くカギは重力；異次元の存在検証へ―２００７年の加速器実験；人工衛星で重力波を検出する；ほかの３次元世界や生命体は？；ダークマターとダークエネルギー；宇宙には見えないものが数多く存在する；５次元世界と未来のわたしたち；２１世紀への提言）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[かっぱ]

ＮＨＫのＢＳ特集「未来への提言」での放送内容の書籍化。宇宙飛行士の若田光一さんが、物理学者のリサ・ランドール博士に質問する形式。縦、横、高さ、時間に、５次元方向への距離が加わったものが５次元世界。私たち人間は、３次元の膜の中に閉じ込められいるような状態なので、５次元の世界を見ることも移動することもできないそうですが、５次元世界は理論上は存在するはずとのこと。その存在を証明する鍵が重力だそうです。世界を形作っている未知なるものを解き明かしたいという情熱、知的好奇心が博士の原動力。

2016/06/18

[陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙]

2007年発行。ワープする宇宙、５次元理論の物理学者、リサ・ランドール博士と若田光一宇宙飛行士の対談。余剰次元を数式で存在証明をし世界の注目を浴びる。3次元の世界のわたしたちはシャワーカーテンの水滴の様な存在で膜に貼り付いている。フラットランド英国小説を基に図で説明していく。高次元の中にある3次元の世界。素粒子研究時の問題から余剰次元を立証する。科学のコツはインスピレーション。アイディアと数式は思考の両輪。この二つを行き来する柔軟性が重要。万物の成り立ちを解き明かしたい。

2021/05/12

[ぐうぐう]

2007年、ＮＨＫ–ＢＳで放映された『未来への提言 理論物理学者リサ・ランドール 異次元を語る』のガイドブック。ランドールの理論は、とても斬新で、ゆえにスリリングだ。私達が住む３次元から５次元世界を認識することは不可能だが、３次元の科学で解明できない謎が、５次元の存在を認めることで解明できるとする道筋がとても興味深い。例えば、原子核を構成する素粒子の中に突然姿を消すものがあるが、異次元があると仮定することで、その理由を説明できるとランドールは言う。（つづく）

2016/04/20

[陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙]

この本、大好き。インターステラーの映画が大好きで、それとは別でニュートンでリサランドール博士を知って。膜の上で活動している私たち三次元の世界。マンガや絵の二次元は理解できるけど、三次元の膜の中には素粒子や原子、銀河も含まれる。宇宙ですらを超える高次元の世界。ルイスキャロルの不思議の国のアリスの異次元の世界に惹かれた少女時代。出発は2007年。若田宇宙飛行士との対話。重力波が観測探知されるようになれば五次元、高次元宇宙との交信に繋がるかもしれないと話す「科学がさまざまな可能性を思い描く道しるべになっている」

2022/10/05

[Lee Dragon]

やはり5次元のイメージはこれだけでは掴めなかったが、非常にロマンがある話だ。 成功したければ質問しなさいという言葉は非常に見に突き刺さった。 一流の科学者は哲学を持っている。頭が切れるのはもちろんのこと、感性で科学をやっている。こういうのは若い時代に感動したり、美しいものを見たりして育まれるのであろう。

2015/09/15