内容説明
世界を震撼させた文化大革命で、ひとりは最高指導者として君臨、のちに軟禁中に自殺、中国・共産党主席、毛沢東夫人江青。いまひとりは十二年を獄中で過ごした中国・国家主席、劉少奇夫人王光美。二人の関係から悲劇の謎に迫るドキュメント。
目次
空白の記憶
四合院の生活
北京から延安へ
二つの大きな出会い
結婚、そして凱旋
建国前夜の密約
中南海の隣人たち
光と影
ふたりのファーストレディ
文化大革命のはじまり
ピンポン玉の首飾り
別れ、そして再会
著者等紹介
譚〓美[タンロミ]
東京都生まれ。本籍中国広東省高明県。慶應義塾大学文学部卒業。同大学講師、中国広東省中山大学講師を経て、著述活動に入る。現在はアメリカ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こぽぞう☆
16
図書館本。文化大革命を理解するのに非常に良い。生き延びた被害者の肉声。江青との確執はあったにせよ、毛沢東の思想も確かにあったのだろう。鄧小平が生き残ったのは何があったのか気になる。2018/04/03
ゆき
6
「上海の紅い薔薇」からのこの本はとても分かりやすいです。毛沢東改めて大嫌いです。この夫婦最悪!!最低。満州事変からの蒋介石の国民党と毛沢東の共産党との鬩ぎ合いを時代順に毛沢東の右腕だった劉少奇夫人目線で追っています。まあ毛沢東婦人の江青の悪女ぶりったら九尾妲己も西太后もびっくりですよ。気に入らないから牢獄に入れる。無実の罪で貶めるが常で毛沢東も黙ってるし、やりすぎで毛沢東がたしなめる時にはもうすでに一族離散で死者多数ですよ・・・。劉少奇夫人も投獄12年の記憶があまりの仕打ちで抜け落ちているという(涙)2014/09/15
アネモネ
3
NHKで吊し上げにあっている映像を見た。江青との対比。恵まれた上流階級のお嬢さんが劉少奇に見染められ、激動の人生。妬みという感情は、とてつもない暴力に繋がりうる。2021/08/26
うにこ。
3
最近劉少奇が気になってたので、そこから流れて彼女にも興味を持った。彼女の視点から振り返る文革とその人生という構成で、その文体からか、最初に現在の穏やかな暮らしを営む彼女の姿を見せるという構成からか、読み終わっても後味は悪くないのがとてもありがたい。 けれど内容が内容なので、読むに耐えない出来事も勿論記されているのがつらい。救いは、作者が終始彼女を尊重していたわりながら書いているのがこの本全体から分かること。王光美さんに焦点を当てているから、文革という大きな事象を把握するためには物足りないのが残念だけど。2018/04/07
1131you
2
昔読んで面白かったのを思い出して読んだけど前回と少し印象が変わった。冷たく策略を巡らせる夫婦としては冷え切った毛沢東・江青、慈愛に富み賢く家族愛に満ちて逆境にあっても気高く強く劉少奇・王光美。ただ1人生き残っている王光美は凄惨な過去にも拘らず江青の批判は口にしない。あまりに美しい構図。本人のインタビューなので一方通行なのは当然か。江青側のことも読もう。王光美が凄く素敵な女性に描かれてるのにちょいちょい「共産主義万歳」みたいなこと言ってて少し笑える2022/06/22