内容説明
いまだ正体が謎に包まれているロシアの怪僧ラスプーチン。シベリアの一農夫だった男が、いったいどうやって、皇帝一家を思いのままに操り、国政を左右するまでになったのか。新しく発見された秘密文書をもとに、伝説の人物の実像をついに明らかにしたラスプーチン評伝の決定版。
著者等紹介
ラジンスキー,エドワード[ラジンスキー,エドワード][Radzinsky,Edvard]
1936年生まれのロシアの作家。1960年代からソ連で劇作家として華々しく活躍した。1990年代には歴史ドキュメンタリー小説の分野に転じ、膨大な資料を駆使してロシア最後の皇帝の運命を描いた『皇帝ニコライ処刑』やスターリンの伝記『赤いツァーリ』(邦訳はともにNHK出版)で国際的な名声を得た。テレビの文化番組の解説者としても名高い。現代ロシア文壇を代表するスター的存在である
沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、ハーヴァード大学スラヴ文学修士。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部助教授
望月哲男[モチズキテツオ]
1951年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、北海道大学スラブ研究センター教授
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感想・レビュー
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獺祭魚の食客@鯨鯢
49
帝政ロシアの崩壊を早めた怪僧ラスプーチンは女帝孝謙天皇を誑かした弓削の道鏡を思わせる。オウム真理の麻原にも似ている。 ロシアという国は時折、レミングの集団自殺のようなことを引き起こす。ロマノフ王朝の後にはスターリンが現れる。 自壊するのは勝手だが、自爆テロリストのように身近連れに核ボタンを押して地球を破滅させるのだけは阻止しなけばならない。2022/05/03
ころこ
41
中国の宦官が重要だったのはラスプーチンをみれば分かる。彼の呪術的な部分は巨根伝説と不死身な最期と相まって、身体性から来ているのは間違いないだろう。ロシアで宦官が制度化されていたら歴史は違っていたかもしれない。ソ連は極端な官僚制を敷いたが、失敗した後のペレストロイカにより発見された資料から実態に追っている。鞭身派と去勢派に言及されているように、正統と異端の揺り戻しがロシア的であり、ラスプーチンの存在そのものだということがみえてくる。ロシアの異端宗教の揺れ幅と社会制度の振れ幅が共振しているようにみえるのだ。2024/09/27
yurari
1
ロシアの怪僧ラスプーチン。新たに発見された文書から彼が何者だったのかを紐解く書。ラスプーチンを寵愛した皇后アリクスは知識もある賢い女性だったのに、すっかりラスプーチンに取り込まれてしまった。これは、ラスプーチンが皇后の希望を汲み取り予言として代弁したから。戦争反対の姿勢を貫いたラスプーチン(皇后の代弁者だったからか、自らの信念なのかはよく分からず)、サラエヴォでの事件から2週間後に彼は殺されかけるのだが、これがなかったら第二次世界大戦は起こらなかったのか?歴史に「もし」はないけれども考えさせられる。2022/05/28
ナイ神父
0
革命後の非常委員会で、ラスプーチンの味方側が証言した内容を目玉とした本。時系列飛び飛びなので、整理して考えるには少し苦労するかも。2013/09/19
takao
0
ふむ2025/04/21
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