内容説明
パレスチナ住民の生活圏を寸断する、「テロ防止用」分離壁の建設が進むエルサレムは誰のものか。同根の3宗教の信徒たちはなぜ争うようになったのか。聖地をめぐる憎しみの絶えない攻防の行方を占う。
目次
第1部 エルサレム・共存と対決の街(丘に現れた怪物・分離壁;祈り重なる「歴史的権利」―エルサレム略史;オスマントルコの崩壊とシオニズム;長引く中東紛争と和解への試み;イラン革命からオスロ合意まで;変貌するエルサレム;キャンプデービッドからタバへ―クリントン調停の挫折;アルアクサ騒乱とシャロン政権;中東紛争とアメリカ)
第2部 エルサレムを取材して(共存を模索しつづけるユダヤとアラブの家族の物語;エルサレム雑感)
感想・レビュー
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猫草
2
中東問題の歴史的背景からアメリカ ロシアとの関係など詳しくわかる!イスラエルにもパレスチナにも平和路線を望む人たちがいることに少しはホッとするが・・・和平の道は遠い!2014/12/17
那由田 忠
1
2004年初め放送の「ドキュメントエルサレム」前後編取材に基づいて執筆された。番組に出るアラブとユダヤの平和主義者は第二部に紹介される。巻末資料「ロードマップ」にあるように解決方法は言わば明確。二国家による解決は「暴力とテロの停止によってのみ達成」される。 パレスチナに偏る情報にあふれる日本でそれなりに配慮された執筆であるが、それなり。「嘆きの壁」をユダヤ人は「西の壁」と呼ぶと書かず、ユダヤ・クォーターの破壊も明言されない。歴史的に暴力を始めるのはアラブ。暴力を捨てて和解を勧めたマンデラを見習うべき。2012/11/22