内容説明
激動の1937年、45歳で首相となった近衛文麿。しかし、それは文麿本人はもとより、文麿の長男・文隆、そして家族たちの運命を大きく左右することになる。真珠湾攻撃から60年後、文麿の曽孫である著者が文麿と祖父・文隆の戦前、戦中、戦後の足跡をたどり、国家と戦争、戦争と個人の関わりをさぐる。
目次
近衛家のこと
第1章 国際社会からの孤立―満州事変から国際連盟脱退まで
第2章 激動の時代の幕開け―文麿の首相就任と文隆
第3章 日中戦争のはじまりと泥沼化―「国際舞台」での文麿と文隆
第4章 魔都・上海での和平工作―謎に包まれた文隆の行動
第5章 太平洋戦争前夜―文隆、陸軍二等兵として満州へ
第6章 日米開戦回避への工作―文麿の最後の賭け
第7章 終戦と戦後―家族たちに残された傷跡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
流言
40
藤原鎌足から連綿と続く藤原氏の摂家筆頭、近衛家の目線から見た太平洋戦争……である。政治家としてはともかく個人としての近衛文麿の苦悩は自分にとっては初めての視点で興味深い。御振袖に身を包みお付きの物が紐を持っていた幼少期は明治の華族の生活が見えるし、学習院初等科に入る際に電信柱までを歩くお歩きの訓練、学習院に入ってのマラソンランナーとして頭角を表す経緯は日本の近代化と共にあるようだ。近衛文隆氏に関してはシベリア抑留の中で死んだ程度の知識しかなかったが、短い人生の中で様々な活動をしていたのも知ることができた。2016/04/10
ぼの助
1
近衛忠大さんとNHK取材班の共同執筆。 政治的評価が歴代首相の中でも疎らであり政治姿勢が分かりづらい文麿の政治思想や文隆の上海での工作が詳らかに書かれており非常に読み応えがある一冊。2019/03/30
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