内容説明
緻密なシナリオ。執拗なリハーサル。ロケ地に畑をつくって耕し、カラスを育てる。役者の生理を極限を超えてえぐる演出。完成フイルムを平気で捨ててまたつくる…不条理だが条理。小説家村松友視が、今村映画の縁者たちに取材し、巧妙な“禁じ手”手法でまったく新しい“今平”ワールドを探りあてた書き下ろし。
目次
プロローグ 対岸の目明し
大船撮影所
川島雄三
今平王国
重喜劇
土着
性
原点
虚と実
神
学校
劇への回帰
現場の凄味
モノクロの世界
水彩と泥絵具
著者等紹介
村松友視[ムラマツトモミ]
1940年東京生まれ。慶応義塾大学卒業後、中央公論社編集者を経て作家に。デビュー作は『私、プロレスの味方です』(80年)、82年、『時代屋の女房』で第87回直木賞を受賞。『鎌倉のおばさん』(第25回泉鏡花文学賞受賞)など著書多数
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