目次
第1章 運命の開幕
第2章 暗転
第3章 再びの東京
第4章 飛翔―世界へ
第5章 戦争前夜
第6章 戦火広がるなかで
第7章 新天地を求めて―日本の敗戦、そして北朝鮮へ
第8章 朝鮮戦争―戦禍再び
第9章 燃えさかる炎、迫りくる闇
著者等紹介
金賛汀[キムチャンジョン]
1937年京都市生まれの在日2世。63年朝鮮大学校政治経済学部卒業。雑誌編集記者を経て、在日朝鮮人問題・教育問題を中心に、ノンフィクション作家として活動中
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感想・レビュー
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門哉 彗遙
3
鄭義信さんの新作、みょんふぁ一人芝居『母 My Mother』がチェスンヒとその娘について描かれていると知って、この本を読んだ。恥ずかしながらチェスンヒについては全く知らなかった。同時代の李香蘭についての書物は読んだことはあったけど。李香蘭よりずっとすごいじゃないですか。海外公演まで行っていたとは。彼女が築き上げた新しい朝鮮舞踊ってどんなものだったんだろう。映像が残っていないのが残念だ。2022/01/02
almondeyed
1
平昌オリンピックで、北朝鮮の女性歌劇団等の映像が映し出されているのを見てふと、かつて北朝鮮に渡って失脚した、伝説の舞踊家崔承喜の事を思い出し、この本を読んでみた。もう若い人には彼女の踊りは受け継がれていないだろうが。日本人や韓国人の目からは窺い知る事の出来ない、在日二世である著者の視点から描かれた崔承喜の心情こそが、最も彼女の本心を付いているのかも。しかし、聡明で芸術的感性も鋭かった崔承喜が何故、夫の意向であれ北朝鮮に行ってしまったのか。当時それしか選択肢が無かったとはいえ、つくづく残念に思った。2018/03/09