内容説明
本書では、ウッフィーツィ美術館に展示された中世後期からルネサンスにかけてのタブロー作品から出発して、同じ画家による、あるいは同じ主題を描いたフレスコ壁画を訪ねて旅に出かけます。そして、イタリア・ルネサンス美術史の中で「フレスコ画法の革新性」の意味を考え、建築空間の一部である壁画に展開される絵画世界としてのフレスコ壁画の果たした役割を、新しい視点で考えてみることにしましょう。
目次
第1章 壁画の裏に生きていた男―イタリアで最初のフレスコ画
第2章 斜光線が解き明かす謎―フレスコ画の完成者ジョット
第3章 ルネサンス壁画の出発点―マゾリーノとマザッチョ
第4章 ピサの墓地炎上―出現したシノピア
第5章 視線を操る画家―パオロ・ウッチェッロの遠近法
第6章 サン・マルコ修道院の静寂から―画僧フラ・アンジェリコ
第7章 『聖十字架物語』の演出―ピエロ・デッラ・フランチェスカの感性
第8章 ロレンツォ豪華王時代のフレスコ画―ボッティチェッリとギルランダイオ
第9章 イタリア・ルネサンスの三巨匠とフレスコ画―レオナルド、ミケランジェロ、ラッファエッロ
第10章 芸術論の中のフレスコ画―ヴァザーリのフレスコ画論
第11章 病んだ壁画の修復と保存―最先端技術と倫理
第12章 現代に生きるフレスコ画の伝統―アンニゴーニの世界
研究ノート アンドレア・ポッツォ―一七世紀のフレスコ画論
著者等紹介
宮下孝晴[ミヤシタタカハル]
1949年東京都生まれ。フィレンツェ大学教育学部(美術史)卒業。ウーゴ・プロカッチ教授のもとでフレスコ画法史を学び、アレッサンドロ・パッロンキ教授およびフランコ・カルディーニ教授に師事して「15世紀フィレンツェ絵画史における三王礼拝図」を研究する。1973~84年まで、イタリア在住11年。現在は金沢大学教授(教育学部)。専攻はイタリアの中世・ルネサンス美術史で、13~15世紀のイタリアにおけるフレスコ(壁画)技法と図像学を研究。主な著作に『イタリア美術鑑賞紀行』(全7巻 美術出版社)、『モナ・リザが微笑む―レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯』(講談社)、『ルネサンスの画家ポントルモの日記』(共著 白水社)、『フィレンツェ美術散歩』(新潮社)、『CD-ROM 千の都の物語 フィレンツェ』(キャラバン・インタラクティブ)がある
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