内容説明
作家・松本清張は、かつて古代ペルシアと日本をつなぐ“火の路”=ゾロアスターの回路に新たな古代史像を見出した。そして、1985年、ヨーロッパに散在するドルメンやメンヒル、そして、ストーンヘンジなどの巨石記念物と幻の巨石聖徒ケルトの文化をたどる旅に出た。―スコットランド北端の島から南仏カルナックに到る苛烈な取材の日々が続いた。やがて、鋭い視線の先に、新たなドキュメント・ノベルの着想を得る。とどまることのない、旺盛な好奇心に満ちた巨匠の素顔を追う。
目次
1 ケルト文明の起源を求めて―スコットランド・シェトランド島とオークニイ島
2 カントリー・サイドをゆく―中部イングランドの旅
3 ストーンヘンジと巨石墓―イギリス南部の環状列石
4 カルナックの列石群と南仏の巨石墓―フランスの巨石記念物
5 ドキュメント・ノベルの旅―ボヘミアから南仏へ
ケルト、巨石聖徒を追う旅(松本清張)
スコットランド―巨石文明の旅・会話篇(佐原真)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
78
「内容説明」には、「スコットランド北端の島から南仏カルナックに到るまでの、ヨーロッパに散在する巨石記念物と、巨石聖徒ケルトの文化をたどる苛酷な取材の日々の中で、旺盛な好奇心に満ちた巨匠・松本清張の素顔を追う」とある。 どちらもすでに故人である松本 清張/佐原 真の両氏は、共に小生の好きな書き手(作家あるいは学者)で、こんな本があったことに今頃、気づくとは情けなく感じたものだった。 本書には、ケルトに関連する遺跡の数々が、豊富な写真で示されている。まさに紀行文なのだ。
i-miya
12
(佐原真)S07生まれ、大阪市。大阪外国語大学卒。大阪外国語大学でドイツ語、京都大学大学院で考古学。1964博士。奈良国立文化財研究所、国立歴史民俗博物館長。(イギリス地図) シャトランド諸島、ヤールジョフ、オークニイ諸島、ネス湖、セント・アンドリューズ、エディンバラ、ハドリアヌスの城壁、ハリファックス、ケンブリッジ、ストラスフォード・アポン・エイバリー・ストーンヘンジ。ドーバー海峡、ニューグレンジ、ダブリン。2010/04/21