内容説明
革命英雄は、ソヴィエトをどこへ導こうとしたのか。死を前にして、この新しい国をだれに託そうとしたのか。いま明かされる「実像」のレーニン。
目次
第5章 側近たち
第6章 一元的社会
第7章 レーニン主義の霊廟
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
下巻は、革命後の国家建設から、その死、そしてソ連崩壊まで続く、死後の影響まで。レーニンは、47歳になるまで観念的に思想を紡ぐ人間であり、全く社会の実業の経験が無かった。ある意味、ソ連はレーニンの机上の論から生まれた、巨大な実験だったといえるだろう。だから、現実に幾ら犠牲を強いても平気だった。これがソ連の全体主義体質の根源なのだろうか。ボルシェビキは総じて観念的なインテリばかりで、地に足がついていたのはスターリンぐらい。レーニン後に天下を取るのも当然か。そして、スターリンはレーニンを最大限利用したのだった。2014/12/31