内容説明
植物が動けないなんて、大間違い。新しい場所で新しい世代を担う種子たちの、驚くような旅の知恵を大公開。
目次
第1章 自然を利用するタネたち(ユリノキ;ボダイジュ;アオギリ ほか)
第2章 動物を利用するタネたち(ナンテン;カラスウリ;ジャノヒゲ ほか)
第3章 みずからタネを飛ばす植物たち(カタバミ;ゲンノショウコ;フジ ほか)
著者等紹介
多田多恵子[タダタエコ]
東京都生まれ。東京大学大学院卒。理学博士。植物の生き残り戦略、虫や動物との関係を、いつもワクワク追いかけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わっぱっぱ
32
ただ綺麗だったり面白かったりするだけじゃない、この姿には理由があるのだ!ということに改めて思い至る。この小さくてころっとした中に何億年という進化が詰まっているんだなあ。根も幹も葉も花も匂いも味も、全てはこの種子のために。なんてシンプルでなんて一途でなんてしたたか。植物の営みを見つめていると、いま自分がここにこうして存在していることが何となく、何となくだけど腑に落ちる感覚がします。2017/03/26
ikatin
10
(図書館)先日藤の実を見る機会もあって、たまたま図書館で目にとまり肩ひじ張らずにさらっと読ませてもらいました。種々のエピソードが織り交ぜられ、かつ学術的記載もあり面白い。ガガイモに関する新知見を論文化したところはさすが、東大卒。この手の本は性に合うなあ。2013/07/21
Maiラピ
10
内容は科学的なものだけど、とてもロマンチックな表現がされていて素敵なエッセイ風。雨滴が奏でるチャルメラの音符(コチャメルソウ)森の動物との固い契約(オニグルミ)などなど楽しい♪2010/10/10
neimu
7
街中が新緑に包まれるこの季節、何故かふと手に取りたくなったこの一冊。元はこの一粒の種からあの樹もこの樹も大きく育ったのだなあとしみじみ。花が散って実がなる季節がまた巡ってきた、そんなふうに感じられるからだろうか。美味しい果実も、目に止まらない小さな種もこれからが本番の季節。光合成の栄養は生い茂る葉を生かすばかりではないと、改めて考えたりする今日。とにかく表紙のかわいらしさも、中の解説も楽しい。植物の生き様を種から振り返る一冊。2012/05/07
kinkin
6
植物がどうしてそれぞれユニークな戦略ですみかを広げるのか、自然の不思議さを改めて感じた。2012/09/02