内容説明
伊左衛門、助六、松王丸、蘭平、五右衛門…。江戸時代初期に〈出雲の阿国〉によってはじめられた歌舞伎は、現在にいたるまでつねに庶民の娯楽として大衆演劇の中心となってきた。その長い歴史のなかで生まれてきた粋な伊達男たちが、花道を歩きながら咲かせたダンディズムの華にスポットライトをあてつつ、作家の眼から見た新たな歌舞伎の魅力をつややかに描き出す。
目次
名古屋山三―「かぶく」ダンディズム
藤屋伊左衛門―「やつし」のダンディズム
曽我五郎―「荒事」のダンディズム
花川戸助六―〈粋と華〉江戸っ子のダンディズム
松王丸―悲劇的ヒーローのダンディズム
源義経―〈貴種流離〉のダンディズム
大星由良之助―管理者の知的ダンディズム
蘭平―「色奴」「繻子奴」のダンディズム
石川五右衛門―アウトローのダンディズム
民谷伊右衛門―「色悪」のダンディズム
弁天小僧―〈デカダン〉のダンディズム
青山播磨―新歌舞伎におけるダンディズム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pearlydiagnost
0
助六、曽我五郎、松王丸…名だたる歌舞伎ヒーローの魅力を、時代背景を中心にわかりやすく解説した名著。 四谷怪談と忠臣蔵ものがセットで上演されることは既知でしたが、そこにあのような民衆の要請、南北の想いがあったとは…。 豊国の端麗な扉絵も眼福、挿入された公演写真がまたチョイスがよく、4cm角ほどのモノクロに歌舞伎の粋がみなぎっています。 歌舞伎鑑賞の糸口にぜひお勧めしたい一冊だけど、現在絶版か、あまり語られていないようなのが口惜しいです。古本などでお見かけの際はぜひ。2011/08/17
-
- 和書
- 下ネタの品格 文春文庫