出版社内容情報
内容説明
各地の神話や伝説の中から、古今の植物学・博物学・心理学などの蓄積の中から、「植物に性を見るまなざし」を探り出す。植物の姿形や生態に対する精緻な観察を通して、深い思索と奔放なイマジネーションを繰り広げる―。暗がりに放り込まれていた「官能」が、あざやかに立ち上がる。
目次
第1章 官能的な形態(ネペンテス;パフィオペディルム ほか)
第2章 官能的な生態(ディオネア;絞め殺しの木 ほか)
第3章 官能的な匂い(ショクダイオオコンニャク;ドロソフィルム ほか)
第4章 官能的な利用(カカオ;コリアンダー ほか)
著者等紹介
木谷美咲[キヤミサキ]
1978年東京都生まれ。食虫植物愛好家、文筆家。食虫植物に出合って、形や生態に魅せられる。執筆活動のほか、テレビやラジオへの出演、イベントへの参加などで、植物の魅力の紹介と普及につとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゼロ
70
植物は美しい。なぜこれほどまでに魅力的なのかを追求した結果、その美の根源には官能が潜んでいる。そうだ、植物は官能的なのだ…を解説した本です。植物の本ではありますが、写真よりも文字の方が多いです。書いてある内容も、いかに官能的なのかを書いているので、どの植物も艶やかに見えます。そもそも生殖器をむき出しにしていたりしますからね。ネペンテス、パフィオペディルム、メセン、ヒドノラ、ディオネアなどの解説がありました。少し変わった視点で植物を見るという意味では面白い本でした。2017/12/23
ミツツ
33
まるで性器のような美麗な姿かたちと貪欲な生態に心奪われる。最初は見た目に惹き付けられ、読み進めるうちに著者の官能に対する考察の抽斗の多さにビックリする。で、いちいち気になる文献を検索するので先に進まない。食虫植物のドロソフィルムは青臭く尿臭と腐臭と甘さが混ざった匂いを放つとのこと。嗅いでみたい(笑)2018/06/28
aloha0307
16
再読 今回は写真だけでなく解説文もじっくり読んだよ。イチジク、月下美人、イランイラン、カカオetc なんて艷やかなんだろう。様々な表現の根底に植物があることに気付く。性の隠語となることもしばしば。直接表現しないことで、逆に奥に控えた情念が姿をあらわす...文学作品でもよく見られる修辞ですよね。2017/07/15
aloha0307
14
図書館に返却直前にさらに再読 本書に囚われてしまったのだろうか... 植物はそこにいるだけで、美しさにこころ打たれてしまう。その根源には 官能 があるんだね。本書は生の根源がそこにあることを伝えてくれます。2017/07/17
鯖
14
ドエロい。みなさんすっごい姿形をしてらっしゃる。まあ、花なんかそのものずばり性器だから当たり前なのかもしんないけど、種を越えても最適化した形というのは一緒なのかなあ。緑色の柱サボテン珍宝閣様のずんぐりむっくりくらいなら可愛い感じなんだけど、全体的に女性器を模したとしか思えない植物のほうがえげつないのはなんか納得しました。すごい。2017/07/07