著者等紹介
ハ・ジン[ハジン][Ha Jin]
哈金。作家。中華人民共和国出身。1985年にブランダイス大学に留学し、天安門事件後に米国に帰化。世界的ベストセラーとなった全米図書賞、PEN/フォークナー賞受賞作Waiting(『待ち暮らし』早川書房)に続き、War Trash(PEN/フォークナー賞受賞)、The Crazed(『狂気』早川書房)といった小説を発表、短編集にThe Bridegroom(アジアン・アメリカン文学賞受賞)、Under the Red Flag(フラナリー・オコナー賞短編部門受賞)、Ocean of Words(PEN/ヘミングウェイ賞受賞)などがあるほか、エッセイ集The Writer as Migrantや3冊の詩集など作品多数
駒沢敏器[コマザワトシキ]
作家・翻訳家。1961年東京生まれ。雑誌「SWITCH」で編集者、取材記者を務めた後、現在はフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バナナフィッシュ。
8
愚直なまでに積み上げた日々。どんなに中国人だと指差されても、中国人というだけで先に見える未来が狭められても、ただ勇気が、そこに留まる意思さえあれば乗り越えて行けるはずだ。最後に残るのは自分が本当に信じてきたものだけだということ。ハ・ジンにしか書けないような物語。2016/09/19
かみーゆ
2
上巻から引き続き祖国中国への複雑な想いを抱えながらアトランタでの生活を続ける一家の物語。いやー想像以上に面白かったな。思わせぶりな記述とか伏線と思わせるような出来事がその後何も出て来ない、というのがいっぱいあって、それが逆に生活のリアルさを感じさせます。本当の生活ってそんなものよね。終わりの方ちょっとびっくりしましたけども、これからも続いていくアメリカでの生活に幸あれ。最後に載ってる詩も良かったな。絶版だしこれからそんなに読まれることもない本かもしれませんが、移民文学としてちゃんと残しておきたい一冊です。2024/10/03
カルミア
1
10年ぶりに再読、すごく面白かった。10年たって、彼らは今どんな暮らしをしているんだろう、なんて考えたり。 しかし、10年たってもウー・ナンの祖国は変わらないね… 2021/03/29
kurt
1
上巻に続き主人公ウー・ナンは毎日のレストラン経営に疲れ果てる生活を送る。地道ながらも愚直に日々を積み上げることで店のローンも完済し、ようやくアメリカという地に根を下ろすことができたと感じてもいた。それでも自身の中にもやもやとしたものを抱えていた。過去に熱烈に愛した女性と詩作への情熱がいまだにくすぶり続けているのだ。そして彼はこの2つに決着をつけるべく行動を起こす。劇的な展開はないけれど、リアルな生活感が伝わってくる文章は個人的に好きです。
リズール
0
10月8日に行われた第20回リーダーズ・ネストで紹介されました。2012/10/08