出版社内容情報
学者の家に生まれた菅原道真は、その類稀な才能と努力により、官吏としての第一歩を踏み出した…。幼少時から太宰府の地で歿する迄に彼が残した膨大な数の漢詩を基に、その波乱の生涯を描いた書き下ろし歴史長編。
内容説明
稀代の能吏ゆえの栄光と苦悩。不器用なまでに誠実で、清廉に生きた男。その姿が千年の時空を超え、鮮烈に甦る。菅原道真の漢詩集『菅家文草』『菅家後集』を通してその実像に迫る、渾身の書き下し歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
46
稀代の能史であるが故の栄光と苦悩が伝わってきました。不器用で誠実な道を歩んできたからでしょうね。下巻も読みます。2021/12/08
aisu
7
菅原道真の生涯を書いたものは読んでなかったなあと手に取る。小説なので、どこまで事実かわからないが…。上巻は太宰府への左遷が決まり泣く泣く出発のシーンから遡り、菅原家の歴史、道真の誕生、学生、応天門の変を経て官吏となり、その間に結婚もし(妻が2人に、この小説では他に想い人が…)、子供に恵まれるが亡くなる子もいて悲しみ、讃岐に左降、阿衡の紛議、帰京、まで。2022/08/01
セイコリーノ またの名を「本の海賊」
3
いくつもの作品を続けて読んでみていますが、こちらは道真の憧れの君がおおきく彼の心を占める。 道真は賢く、正しい。正しいことを行い、突き進むのが正しいのだ、きっと誰かがみてわかってくれる、と言うけど、敵をつくりやすいから。実の父上が存命中は、それを憂いてかなり庇った、根回しした、のですね。下巻も期待。図書館に書庫から取り出しを依頼中。2023/04/28