内容説明
長引く不況の中、働き盛りの男性をうつ病などこころの病が襲う。ミッドライフ・クライシスをどう乗り越えるか。そして、自殺をどう防ぐか―うつ病の治療法や自殺予防を研究する著者が、患者を「死のふち」から生還させた実例に基づき、軽症から深刻な症状まで、周囲にはなかなか見えない中年期特有の精神疾患の諸特徴を指摘し、自殺の危険因子への対処法を説く。マスメディア報道の問題点や企業の対応の遅れなど、中高年のこころの危機を助長する様々な要因を指摘しながら、こころの健康を保ち、充実した老年期を迎えるための方途を示す。
目次
第1章 “ライフサイクル”の中での中年期
第2章 現代の中年の置かれた状況
第3章 中年期のこころの病
第4章 自殺のイメージとその実態
第5章 日本独特の自殺
第6章 迫り来る自殺の影と直前のサイン
第7章 自殺を打ち明けられたら
第8章 治療と予防
第9章 こころの危機に備えるために
第10章 マスメディア社会の怖さ
第11章 予防についての社会の取り組み